「ど田舎」の秋田・五城目町に学ぶ地方再生 カギは世界水準の教育とブランド木苺、豊かな自然

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中野 あとはイノベーションですね。イノベーションは新たなものを結合することによって生まれます。丑田さんは秋田に入ってきた異分子ですから、先ほども申し上げましたが、丑田さんを有効活用して、イノベーションを作ることが大事だと思います。さっき、丑田さんがおっしゃっていた「キイチゴプロジェクト」なんかは、まさにその典型例だと思います。

今まではキイチゴを栽培していた農家の方が自家消費していただけのものに新しい価値を見出すことができたのは、異分子である丑田さんだからこそでしょう。よそ者は大事だということですね。

世界を相手に、大きなイノベーションを

渋澤 もうひとつ、付け加えさせてもらうなら、こじんまりはダメだということです。

地方でベンチャー企業を立ち上げるということになると、どうしても地元密着ビジネスにばかり目が行ってしまいがちですが、それだけで満足して頂きたくない。

やはり最初から世界を見ていく必要があると思います。

たとえば、50年前のシリコンバレーには畑しかなかったのに、今、こうして世界のハイテク産業の集積地にまでなったのは、まさに「バカ者」ですが、その地を世界的なイノベーションを打ち出して行くという熱いパッションと夢があったからです。

だから、秋田でも世界を見てビジネスを立ち上げてほしいと思っています。その点、秋田には国際教養大学という世界から知性が集まっている大学があるのですから、その人たちを悪ノリさせることで、世界を舞台にした面白いビジネスが展開できる可能性があります。

藤野 企業が成長する時って、必ず場があるのですね。インテルにしても、グーグルにしても、シリコンバレーという場があったからこそ、世界的な大企業になれたのだと思います。

場があって、そこに志のある人がいれば、必ず何かの化学反応が生じます。五城目町がそういう場になれば、徐々に多くのベンチャー企業が集まり、それが地域経済の活性化にもつながっていくのだと思いますね。

草食投資隊 渋澤 健、中野晴啓、藤野英人

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そうしょくとうしたい

コモンズ投信会長・渋澤 健、セゾン投信社長・中野晴啓、レオス・キャピタルワークス社長CIOの藤野英人の3氏で結成。根底には、「長期投資を根づかせたい」という3人の熱い思いがある。「草食投資隊」という名前は、投資=肉食系というイメージが一見つきまとうが、本質は違うのではないか、という3人の共通の考えによる。

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