Buddyが大ヒット「光岡自動車」はどんな企業か ミツオカの本拠地「富山」で製作過程を見た

拡大
縮小

次に、ベース車の仕入れ。これについてはトヨタ、マツダ、日産などの新車販売店から購入しているとの回答を得た。

メーカーとの関係については、「ビュート」で日産「マーチ」を採用していることから日産本社とは直接やり取りがあるが、トヨタ、マツダとは販売会社を通じて交渉しているという。

「リューギ」はトヨタ「カローラ アクシオ/フィールダー」をベースとする(写真:光岡自動車)

マツダの場合、「光岡自動車様がマツダの販売会社から購入されたものを改造して販売しており、マツダにとってはサードパーティと同様の認識」(マツダ広報部)という見解だ。

また、アフターメンテナンスについては、光岡自動車オリジナルカー取り扱い拠点での窓口対応が基本だが、「ベース車の新車販売店でのメインテナンスが不可能というわけではない」と説明し、あくまでも販売店各社の判断としている。

さらに、製造者責任(PL)に対しては、「現在のラインナップのベース車メーカー(日産、マツダ、トヨタ)のうち、車両保証を認めていただいているのは日産のみ。そのほかでの訴訟事案が発生した際の責任は、光岡自動車にある。そうした事案に対応するべく、PL保険(生産物賠償責任保険)に加入している」と現状を説明した。

個性を求める人がいる限り

最後に、「100年に一度の自動車産業変革」を踏まえた今後の事業展開について聞いた。

これについては「これまでの光岡ユーザー同様に、希少性や個性を大切にする方々がいらっしゃる限り、その時代に適応したモノづくりをしていく。電動化へ向けて、あるいはさまざまな技術革新が進むなか、今後の商品企画についてはより高度なレベルでの対応が求められると認識している。今後もこれまで同様に、ワクワク・ドキドキするクルマをご提案できるよう取り組んでいきたい」と回答された。

富山発の小さくて元気いっぱいの自動車メーカーのこれからに、大いに期待したい。

この記事の画像を見る(14枚)
桃田 健史 ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT