「投資をケチりすぎる経営者」が日本を滅ぼすワケ 数字で見る「投資の弱小国」日本の悲しい惨状

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ただし、人口動態の違いがありますので、実際はここまでひどくはありません。人口1人あたりで見ると、アメリカが258.5、日本は82.9です。それでも大きな差が開いています。

G7の1人あたり設備投資額を見ると、日本は5位です。日本と同じように生産性が低いイギリスやイタリアよりは、日本のほうが上位に位置しています。

しかし、イタリアは労働参加率が低いので、このデータの数字ほど、日本は優位ではありません。イギリスも生産性が低くて、投資の不足は昔から指摘されている最大の弱点です。私の計算によると、日本の設備投資の水準は、人口減少に対応するために求められている生産性を維持するために必要な水準と比べて、最低3割は低い水準にとどまっています。

「研究開発・設備投資」のために「人材投資」が不可欠

最後に、人材投資も大切です。

単純に考えると、研究開発によって新しい技術が生まれ、企業の設備投資によってそれがイノベーションとなり、新商品が開発されます。その2つを支えるのは人材投資です。新しい技術を取得して、それを存分に活用するための従業員の研修はきわめて大切なのです。

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