老後の住まいが心配な人に知ってほしい必須知識 賃貸でいける?リバースモーゲージという手も

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とはいえ住むところは必要ですし、全員が全員「家を所有」するわけにもいきません。高齢化がどんどん進めば「おひとりさま」での自然死も増えていきます。そこで近年増加しているのが「シニア向け賃貸住宅」や「サービス付き高齢者住宅」と呼ばれる民間事業者などにより運営される介護施設です。

これは、高齢者が安全快適に暮らせるようバリアフリー構造で建てられた賃貸住宅で、生活相談員さんが在中して安否確認をしたり、不安なことを相談できたりするような住居になっています。

しかし、一般的な賃貸物件と比較すると、家賃が高く物件数も少ないため選択肢が限られるデメリットがあります。基準となる一定収入以下なら国や地方自治体から家賃補助を受けられる可能性があるのですが、その分入居希望者も多く抽選などで入居すらできないこともあります。

高齢でも家を買える時代に

高齢者の賃貸が問題となる今、1つの解決策として「高齢者でも家を買いやすくしよう」という動きがあります。

そもそも、元来の住宅ローンは借入時の年齢に制限があり、なかなか歳を重ねてからは審査に通りにくい傾向がありました。

そこで注目を集めているのが「シニア向けの住宅ローン」。とくに、「リバースモーゲージ型住宅ローン」はその代表格ともいえる住宅ローンです。

そもそもリバースモーゲージとは、「高齢者などが持ち家を担保にし、その範囲内で生活資金を借りられる」融資制度のこと。平たく言えば家を担保に借金できるシステムで、残高が年々増えていく融資形態です。契約者の死亡時にその家を売ってそれまでの借金を一括返済できる仕組みになっています。

「自宅という資産を保有する高齢者が、自宅の資産価値の範囲内で生活費など自由に使えるお金を借りられる」イメージです。

(出所)『すみません、2DKってなんですか?』(サンマーク出版)
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