日本で売ってないランクル70が海外では現役な訳 トヨタのヘビーデューティSUVは質実剛健を貫く

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2014年に日本で販売された70系のインテリア(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

インテリアは“質実剛健”を絵に描いたようなシンプルで機能的なインパネ回りを現代的(!?)にアップデート。しかし、これも単なる意匠変更ではなくエアバッグを装着させる必要があったため、つまり機能のためのデザイン変更だった。空調操造パネルは懐かしいレバー/ダイヤル併用式を採用。メーターも不整地走行での視認性を配慮した大型のアナログ式で、最近のクルマではすっかり見かけなくなった油圧計/電圧計を組み込む。トリップメーターをはじめとするスイッチ類が防水/防砂式なのはランクルならではの特徴だ。

収納関係もほかのクルマと違い、キー付きのグローブボックスや、車体が傾斜した状態でも収納物が落下しないように深さを確保したコンソールボックスや小物入れを用意。さらに今や絶滅級の“灰皿”が今も用意される。

フロントシートは見た目こそシンプルな形状ながら長時間/長距離走行でも疲れにくい設計だが、リアシートは必要十分の居住性と快適性だ。ラゲッジスペースは広いスペースを確保。最大積載量はモデルによってさまざまだが、実際にはその数倍以上搭載してもへこたれない設計になっているそうだ。

悪路走破のための耐久性と信頼性を確保

エンジンは仕向地によって異なるものの、現在はガソリンがV6-4.0L、ディーゼルがV8-4.5Lターボ/直6-4.2L(NA)の3種類を用意。トランスミッションは、過去には4ATの設定があったが、現在は副変速器付5速MTのみとなっている。

シャシーは伝統のラダーフレームなのは言うまでもないが、世界各地の過酷な環境下で使用することを想定した強度基準で設計されており抜群の耐久性を誇る。

サスペンションは不整地走行に不可欠なサスペンションストロークを確保するために、前後ともにシンプルな構造のリジット式にこだわる。ステアリングシステムも現在主流のラック&ピニオンではなくリサーキュレーティングボール式。これも悪路走破の信頼性のためである。

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