プライドを捨てることが武器になる
山本:あとは学会で初対面の先生に、「あなたは英語のウェブサイトを持っていますか、ほかの研究はどんなことをしていますか」と聞かれたときに見せられる、履歴書代わりのウェブサイトを作っておくこと。恥ずかしいことに、私は2007年に海外デビューするまでそんなことすらしていなかった。それ以来、履歴書の行数を増やすことしかしていません。結果しか書けないから。
塩野:なるほど、実績がすべてなのですね。下手なプライドは関係ないと。
山本:下手なプライドはないほうがいいですね。
塩野:大事な交渉をするとき、プライドの高い相手に有効なテクニックがありますよ。契約条件を確認しているとき、「もちろんご存じだと思いますけど」と前置きすると、相手はわかっていなくても質問できなくなるんですよ。プライドがあるから「知らない」と言えない。
山本:わかる!(笑) 「知りません」と言うのは勇気がいると思うなあ。
塩野:「これについてはご存じでしょうから、説明は割愛させていただきます」なんて言われて知ったかぶりしているうちに、すごく不利な条件を飲まされているかもしれませんよ(笑)。……逆にプライドを捨てることができれば、すごい武器になるということですね。
山本:もし私に長所があるとすれば、そこかもしれません。どうでもいいプライドが、ほぼない。ダメもとで生きているというか、いつも最悪の状態を想定しているし、最初からうまくいくなんて思ってないから、うまくいったらラッキー。
塩野:でもこの本はうまく売れることを願っています。今日はありがとうございました。
(構成:長山清子、撮影:今井康一)
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