マカオを支える「総量規制」と「クラスター」

交通インフラ整備でまだまだ発展の余地

2007年8月にオープンした「The Venetian Macao」が大規模IRの先駆けになった

連載3回目以降は、先行する主要なカジノ集積地について、その特徴を分析し、日本にIR施設を展開する上でのヒントを探っていきます。まずは発展著しいマカオから見ていきましょう。

カジノゲーミング市場規模はグロスゲーミングレベニューという尺度で表現します。グロスゲーミングレベニューとは、事業者の勝ち額(顧客の負け額)です。ハウス(事業者)対プレイヤーの自然確率に基づくゲームのため、各ゲーム種にハウスに有利な控除率(5%未満)が設定されています。十分なゲーム数を前提とすれば(大数の法則)、ハウスの勝ち額は総賭け額に対して控除率を乗じた数値に収束します。

アジア各国のカジノゲーミング市場規模をみるとマカオは4.5兆円(以下、2013年)と世界第2位の規模です。なお、世界第1位は米国であり、市場規模は6.2兆円です。2000年以降、アジア全域でカジノゲーミングの市場が広がっていますが、マカオ市場はその規模、成長力において他の国々を圧倒しています。アジアではマカオに次ぐ国はシンガポールですが、その市場規模は6000億円です。ちなみに、日本市場の出現は2020年以降となりますが、複数の施設が稼働すれば、市場規模は2兆円レベルと予想されます。

カジノ市場規模を決定する要素は、対象マーケットの個人金融資産量、施設数です。中国では合法的なカジノはマカオのみ認可、運用されています。ゆえに、マカオの対象マーケットは中国全体であり、その経済力を反映するわけです。マカオのカジノゲーミング市場の規模と成長は、カジノ、IR施設の拡張、中国経済の成長、個人富裕層の拡大、そして、交通インフラの整備に牽引されています。

2002年にカジノを開放

マカオは1800年代から1900年代を通してポルトガル領であり、1999年に中国に返還された歴史があります。現在、マカオは香港と同様に、特別行政区として、中国本土とは異なる行政機関、独自の法律が設置され、自治権を持っています。ギャンブルについては、中国本土では宝くじ以外は法律で禁止されていますが、マカオでは特別行政区というステイタスゆえにカジノ産業が合法化されています。

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