「音がうるさい」クレーム寄せる隣人への対処術 まずは誠意を持って受け止めて音源を特定

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残された方法は、「うるさい」と言われた音源の発生音を小さくすることです。たとえばドンドンと走り回る音自体を小さくする努力です。「床衝撃音」は、音を出す側の住まい方に左右される場合が少なくありません。「こんなことくらい、ふつう」と思っていることが、共同住宅では意外と“非常識”であることも少なくないのです。

たとえば「帰宅が遅くなったんだから、深夜にお風呂に入ってもかまわないだろう」「子どもなんだから、これくらい走り回るのは当然」「食事をするのに椅子を引くのは当たり前。その音をとやかく言われても」といった思い込みが、騒音の問題を引き起こしていることが多々あります。

他の住戸からクレームがきたときは、いま一度、自分の住まい方をふり返り、「もしかしたらわが家の常識はマンション生活から見ると非常識かも」と反省してみることです。子どもが平気で走り回ったり、飛び跳ねたり、下の階に配慮せず、がんがん椅子を引くなど、マンションにふさわしくない住まい方をしているかもしれません。

もし家具や椅子を引く音がうるさいのなら、まずは脚に防音のクッションをはかせてみましょう。以前私が出演したテレビ番組では、椅子の脚に、切り込みを入れたテニスボールをはかせたり、椅子用の靴下をはかせて、音を軽減させていました。

子どもの音がうるさい場合の対処法

また子どもが行動する音がうるさい場合は、必要以上にバタバタ走り回ったり、椅子から飛び下りるのをやめさせるとか、深夜は努めて静かにするなど、こちらもできる限りの努力をすることが大切です。

あるお宅では、2段ベッドの上から子どもがいつも飛び下りるので、飛び下りる場所にふとんを敷いて、衝撃を吸収したという話を聞いたことがあります。

このように、音を出す側、すなわち音源側でいろいろ努力することは、万一、訴訟問題に発展してしまったときも、重要になります。加害者側がどれだけ工夫・対策をしたかが、勝敗をわける大きな要因のひとつになるからです。

次ページ二重床構造は騒音防止の“救世主”となる?
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