KADOKAWA ニコ動の次はツイッター 電子書籍の立ち読みで、紙メディアを底上げ

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「ニコニコ動画」のドワンゴと10月に経営統合を果たすKADOKAWAが、今度はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の代表格である「ツイッター」もその戦略の中に取り込む。

角川書店で知られる出版最大手のKADOKAWAは7月2日、グループの角川アスキー総合研究所が、ツイッター上で電子書籍の“立ち読み”ができるビューワーを開発した、と発表した。東京国際ブックフェア(第21回)の初日を迎えた東京ビッグサイト(東京都江東区)で、KADOKAWAの角川歴彦会長らが、発表会見に臨んだ。

動画やSNSを使って、読者の共感を得る

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「ニコニコ動画やツイッターは読者と感動を共有する方法」と角川会長

角川会長は会見の冒頭、「父・角川源義の時代は、編集者や著者が納得できる本さえ作れば読者がついてきてくれた。が、21世紀は読者の共感を得るため、いかに読者と感動を共有・シェアしていくかという立場が重要。読者と共有する方法とは、動画ならニコニコ動画やYouTube、SNSならフェイスブックやツイッターになる」と述べ、ツイッター活用の意義を強調した。

今回、KADOKAWAが開発したのは、「ePub(イーパブ)」と呼ばれる電子書籍の国際標準規格の一つを使い、ツイッターのタイムライン上で閲覧できるというもの。角川アスキー総合研究所が開発運営する「Tw-ePub」(ツイッターePubビューワー対応コンテンツ配信サイト)に保存されたePubデータについて、ツイッターのアカウントを持つ人であれば誰でも、そのデータを埋め込んだツイートが可能になる。開発に当たっては、米Twitterの日本法人であるTwitter Japanの協力を得た。ツイッターを利用した立ち読みサービスとしては世界初という。

これまでも、ツイッターで他人に紹介したい書籍があるときは、アマゾンなどのアドレスをリンク先として表示するといった方法があり、アマゾンに飛んで「クリック なか見!検索」機能などを使えば、一定ページの中身を“立ち読み”することはできた。

が、いったんツイッターから他のサイトに飛ばないと閲覧できないことから、そうしたリンクをつけてもクリックされることが多くなかったという。だが、「ツイッターのタイムライン上で閲覧できるようになれば、クリック率が上がる」と、Twitter Japanのメディア事業部執行役員、牧野友衛氏は説明する。タイムライン上で立ち読みをしたうえで、続きを読みたければ、そのコンテンツが置かれたサイトや、購入するためのサイトなどにあらためて飛ぶ形になる。

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