なぜ幹部社員は、髪を金色に染めたのか 炸裂!グーグルOB起業家のホンネトーク(後編)

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佐藤 最近、事業は続けることが大事なんだ、ゴーイングコンサーンだ、みたいなことをめちゃくちゃ言われるもので、労働時間と生産性をすごく気にしていますね。たとえばGunosy(グノシー)の木村(新司社長)さんと話をしたら、「うちは8時には絶対帰る。集中すれば残業なんかしなくていい」と言っていた。グーグルもわりとそういうカルチャーじゃないですか。

でもうちは、それこそほんとにモーレツに死ぬほど働くことを3年ぐらいやってきた。最近はちょっとコントロールしようとしています。佐々木さんのところは、そのあたりはどうしていますか。

佐々木 自分でビジネスを始めたときは、まったくオンとオフの区別がつかない状態でしたけど、2年後の今も、まだそういう感じが続いていますね。オンとオフの区別はないけど、オンのときも楽しくやっちゃおうぜ、みたいな。でも多分この感じは長持ちしないと思う。いずれ人数が増えてくると、もっとマラソンみたいな持久戦の働き方に変わっていかなきゃいけないでしょうね。

佐藤 そうですよね。倉岡さんのところはどうですか。

夢の中で問題が解決することも

倉岡 僕のところも終業は早くはないけれど、深夜0時を過ぎることはあまりなくて、毎晩11時ぐらいには終わっています。ただオン・オフの話でいうと、休みの日もやっぱり1日中仕事のことを考えていますね。どういうところでユーザーが増えるだろうとか、この件に関してどうやってメディアの人と話していけばいいかとか、そういうことをずっと考えている。夢にも出てくるくらいです。しかも、夢の中で解決したりするときもあるんですよ。

佐々木 でも目が覚めたら、何で解決したか覚えてないでしょ。

倉岡 覚えてない(笑)。

佐藤 今はスマホもあるから、ほんとに何もしない時間って、実は全然ないんですよね。

倉岡 ないんですよ。パソコンの前にいなくても常にコネクテッドだから。ワークライフバランスはぐちゃぐちゃだけど、それが当たり前みたいになってきた。

山田 ユーザーとしては、freeeを使えば、非常に短い時間で伝票の処理をできるわけだから、無駄な残業が減ってワークライフバランスが改善したかもしれない。

佐々木 そうですね。なんとか生産性の低い時間を減らして、創造的な活動にフォーカスできるようにしたいというのが僕たちの目指すところです。創造的な活動っていうのは、一生懸命働いているときだけに限らない。それこそ風呂に入っているときとか、心が落ち着いているときにこそ創造できるのかもしれない。そういった時間を増やしたいなと思いますね。

山田 伝票をいじっているときに、アイデアが思い浮かぶ人もいたかもしれませんけどね(笑)。倉岡さんのクービックの一番大きい顧客は、ヨガ教室ですか。目立つように感じますが。

倉岡 もともと汎用的に作ってあるので、特にこの業種が多いというようなことはないですね。本当はひとつの領域にフォーカスしたほうがいいって言われていたんですけど。例えばメール予約専用とか、iPad専用とか。

予約を取る場合に難しいのは、必要な入力項目などが事業形態によって全然違うことですね。それは我々自身ちょっとわかってなかった。でもとりあえずぎりぎり共通のところを狙っていこうってことで、東京モーターショウで、テスラ・モーターズの試乗予約システムを一緒にやらせていただいて、いろいろとテストをしてから出しました。出してみた結果、何がわかったかというと、どういう人がこれを求めているのかが、わかった。だから今後はよりニーズのあるほうにシフトしていくと思います。

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