子どもを“IT音痴”に育てよう スマホが壊す人間関係

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自信を持ってIT音痴の子に育てよう

ヒカル様、IT音痴にしたくないとのことでしたが、私の経験では、スマホを早く持つこととIT通になることとは、若い人にはほとんど無関係です。柳田氏も言及しておられますが、若い人は覚えるのも一瞬で、大きくなって必要となってからでも決して遅くはありません。

それよりもヒカル様のご懸念に賛成します。今しかできない遊びや絵本の読み聞かせや生身の人間とのコミュニケーションから育まれる、豊かな心や言語能力の発育に心を注ぐべきだと思います。

話は変わりますが、柳田氏はスマホなどを「打つ」ことよりも、特に幼児期の本を「読む」ことと文字を「書く」ことから育まれる人格形成や人間関係の大切さを強調しておられます。

私ごとですが私は事情があって、長姉とは18歳の時が初対面です。初対面の日もそれからも、いつも会っている他の姉たちと全く変わらない精神的な距離感に長姉は、「私が筆まめだったおかげよ」と自慢していました。

その通りで長姉は、私が読み書きできるようになってからずっと、手紙を送り続けてくれた人なのでした。それがなかったらば、遠く離れた長姉と私は喜びも悲しみも分かち合える姉妹にはなれなかったはずですから、姉には感謝しています。

また私の年代になりますと旧友と再会する機会が増えますが、昔手紙を多く交わした友との再会は、数十年の空白など物ともせず、心のつながりが即「再起動」して驚いています。いずれも「書く」ことでつながる人間関係の奥深さを知る体験でした。

ヒカル様、お子様はまだ5歳です。今日私が紹介させていただいた本をお読みになられて確信を強められ、自信をもって、当分は「IT音痴の子どもに育てること」を目標とされますよう、期待しております。

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ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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