IBMのダイバーシティの取り組みの歴史は会社の歴史--坪田國矢・日本アイ・ビー・エム取締役専務執行役員/ダイバーシティ経営大賞従業員多様性部門賞受賞記念スピーチ

IBMのダイバーシティの取り組みの歴史は会社の歴史--坪田國矢・日本アイ・ビー・エム取締役専務執行役員/ダイバーシティ経営大賞従業員多様性部門賞受賞記念スピーチ

去年、私どもは「女性管理職登用部門賞」で評価をいただき、今年は「従業員多様性部門賞」という、また違った観点から評価をいただきました。これは非常にうれしく思っております。何がうれしいかと申しますと、私どものダイバーシティの取り組みはIBMそのものの歴史と同じだからなのです。

1980年代半ば、「イコール・オポチュニティ(機会均等)の推進」というテーマで女性を広く登用しようということから始まった私どものダイバーシティの取り組みは、ここにきて女性に限らず障害者、外国人、性的少数派といった多様性そのものを企業の従業員の構成が体現する、自ら体現するということを目標にやってきています。具体的には社長直属の組織として、「女性を活用するグループ」「外国人を登用し活用するグループ」「性的少数派の雇用を推進するグループ」「障害のある社員の雇用を促進するグループ」「全体をワークライフバランスあるいはワークライフインテグレーションという観点から働く環境をよりよきものにしていくグループ」、この5つのグループが活動しています。

イノベーションそのものがダイバーシティと密接な関係があると、私どもも思っています。一例として、私は前述したチームの1つ「外国人雇用」を担当していますが、外国人社員とラウンドテーブル(ディスカッション)を行うと、目からウロコが落ちるようなまったく違う意見が出てきます。たとえば、IBMでは「英語、英語」とずっと言っており、英語教育にさまざまな補助をしております。「TOEICの点数がこれだけ上がったら、これだけ補助金が増えるよ」など、いろいろと英語能力の向上を推進しています。ところが、外国人社員からは言われます。「英語も大切だけど、われわれは日本語をもっと学びたい。日本語でも同じような仕組みはないのか」と。

私どもは国際企業として英語に力を入れていますが、日本語がパーフェクトではない外国人社員から見ると、分け隔てなく日本語の研修も援助してほしいという発想が出てきます。このように、人事制度のあり方そのものの多様性に大きなヒントを与えてくれます。

あるいは昇進試験についてです。私どもは外資系でありながら、昇進試験等は日本語中心なので、外国人から「なぜ英語でインタビューや面談をしてくれないのか。国際企業のIBMでしょう」と言われる。外国人から見れば当たり前のことですが、日本人からそういう意見が出てくることはありません。あらためてダイバーシティのイノベーションに与える力、ひるがえって私どものダイバーシティの至らない部分に気づくきっかけになります。

このように、多様な視点や意見が交わり合い、イノベーションが生まれていくことが現実にある、ということを何回も何回も確信するようなことが起きるわけです。ですから、ダイバーシティは企業、あるいは組織の力の根源であると私自身は固く信じております。これを私どもの経営の一番の柱として、さらにダイバーシティを強めることにより、IBMという会社が、あるいは組織が、より社会に向けて、あるいは私どものいまのテーマである「より賢い地球 スマータープラネット」-地球そのものにIBMが貢献できる-を目指してダイバーシティを一層推進していきたいと考えています。
 
 本日はこのような栄誉ある賞をいただきまして、本当にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

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