ラジオはなぜ過小評価されるのか

「知る人ぞ知る」感覚の魅力とメディアとしてのプレゼンス

実態に比べて存在感が薄いラジオ

ラジオは、テレビ、新聞、雑誌と並んで「マスコミ4媒体」、主要なマスメディアの一つとされているが、若い世代にとってはピンとこない話だろう。僕自身もラジオはマスメディアというよりミドルメディア、メゾメディアと考えたほうがしっくりくる。しかしその一方で、ラジオは過小評価されているのではないか、という思いも抱いてきた。

たとえば以前、僕もディレクターを務めていたTBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」は、現在でも毎朝100万人程度が聴いている。これはけっこう大きな数字だ。大手の週刊誌でもコミック誌を除けば今やそんな部数のものはないし、書籍でも100万部を超えることはめったにない。

僕が現在プロデューサーを務めている「荻上チキ・Session‐22」も、朝に比べて聴取者が少ない時間とはいえTBSラジオだけで毎晩30万人程度が聴いている(ネット局を含めればもっと多い)。テレビや大手新聞ほどではないが、ラジオは今でもそれなりに大きなメディアなのだ。

しかし、ラジオはその実態に比べて存在感が薄い。雑誌なら実際には読んでいなくても『週刊文春』や『週刊朝日』の存在は知っているだろう。書籍もほかの媒体で取り上げられる機会が多い(ラジオでも書評コーナーは定番だ)。

ところがラジオの場合、実際に聴いている人以外にその存在が知られる機会が少ない。「知る人ぞ知る」「自分たちだけが聴いている」という感覚はラジオの魅力の一つだが、メディアとして一定のプレゼンスは必要だ。

ラジオが目立たない理由の一つは音声メディアだからだろう。人間が得る情報のおよそ8割が視覚情報といわれている。「聞けば、見えてくる」というのがTBSラジオのキャッチフレーズなのだが、少なくとも番組のターゲット層に対しては「聞く前から番組の存在が見える」ようにしなければ、新規リスナーの獲得は難しい。

そのための大きな武器になったのがインターネット、とりわけツイッターなどのSNSだ。

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