ヨックモックはなぜ中東でバカ売れ中なのか 100個単位の"大人買い"は日常茶飯事
誰しも一度は口にしたことがあるであろう有名なお菓子が、アラブ首長国連邦(UAE)で飛ぶように売れている。そのお菓子とは、デパ地下でよく見掛けるヨックモックだ。
ヨックモックという名前にぴんと来なくとも、さくっとした歯触りが特徴の、葉巻を意味するクッキー「シガール」なら知っているという読者も多いのではないだろうか。国内ではデパ地下を中心に180以上の店舗を展開しており、贈答品やお土産でもらったり、贈ったりした経験もあるはずだ。
同社がパートナー企業と組んでアブダビに初出店したのは2012年10月。最初の1年こそ店舗運営も手探りで遅々とした歩みだったが、軌道に乗った後は出店を加速。2年を経た現在、2014年5月にドバイに出店した店舗で11店目を数えるまでになった。UAEの1番店は、日本国内180店舗の1番店と同程度の売り上げを記録しているという。
販売価格は日本の2.7倍
もっとも、為替相場の影響もあるため、販売価格は日本の2.7倍という高価格になっている。だが、人口差を考えたとき、UAEでの売れ方の勢いがわかる。同国の総人口は約830万で、そのうち80%を外国人が占めている。
その外国人もインドやパキスタンなどの南アジア出身者、近隣のアラブ諸国や東南アジアの人たちといった出稼ぎ労働者が中心なのだ。つまり、ヨックモックの実質的な購買層は残りの20%、160万人程度しかいないことになる。この160万人という数には乳幼児まで含むため、日本の人口でいえば1億2000万。購買人口の差にして75倍もの開きがあるにもかかわらず、同程度の売上高を上げていることになる。
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