「アマゾンで中古車を購入」は根付くか 価格は33万~55万円、返品も可能
「寝ている間に中古車が売れるなんて」。ネクステージの山口慎也WEBマーケティング課課長は驚きを隠さない。「営業も必要ない。夜中の2時に売れた車もあった」
中古車販売中堅のネクステージは6月3日、オンラインストア大手アマゾンで中古車の販売を開始した。日本のアマゾンで中古車が売られるのは初めてだ。
現状、中古車販売では「カーセンサーnet」(リクルート)、「Goo-net」(プロトコーポレーション)と2大紹介サイトに存在感があるものの、両サイトはあくまでもネットの顧客を販売店へ誘導するのみ。楽天やヤフーなどでネット販売も行われているが、諸経費が含まれていなかったり、在庫状況がリアルタイムに反映されていなかったりするほか、多くは商談の窓口としての利用にとどまっている。
業界全体で見ると、中古車のネット販売は広がっているとはいえない状況だ。そもそも、1台1台状態が違う上に、さまざまな手続きが必要な中古車のネットで販売するのは難しい、というのが業界内での見方だった。
必要な書類は郵送
ネクステージ自身もこれまでネット販売を行っているが、在庫検索の域を出ていなかった。そこで、ネットでも中古車を買えるように工夫を凝らした。
まず、これまで中古車を扱っていなかったアマゾンを選んだ。自社の直営サイトに比べて出店料はかかるが、それを補うアマゾンの集客力や信用力が魅力だ。
そのうえで価格を税込33万円、44万円、55万円の3つに固定。この金額には、税金、名義書き換え、車庫証明などの登録諸経費、配送料(関東、中部、関西以外は別料金)などを含んでおり、購入者の総負担金額を明確にした。
実物を見ないで買う不安を取り除くために、全車のタイヤ、バッテリー、ブレーキパッドなど8つのパーツを新品に交換。1年間、走行距離1万キロメートルの保証を付けた。さらに、納車から1週間以内は返品可能(ただし、手数料など3万円が必要)とした。
また、アマゾンの他の商品と同様に“ワンクリック”で中古車の購入を可能にした。決済完了後にネクステージが書類を郵送する。書類を郵送し購入者が記載の上で返送すれば、同社がナンバー登録などの諸手続きまで行う。手続きが完了すれば、購入者の自宅に車両が届く。ここまで原則追加料金は発生しない。ちなみに、アマゾンの段ボールではなく、トレーラーで輸送されてくる。
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