おやつカンパニー、過半の役員が辞めていた! 米カーライルと提携した日、経営体制が激変

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1948年に松田産業有限会社として創立し、59年に「ベビースターラーメン(当時の商品名は「ベビーラーメン」)」を10円で発売、そして93年に現社名に変更したおやつカンパニー。一方、2000年に日本に進出したカーライル・グループは、外食大手チムニーに出資(売却済み)するなど、業種を限らず幅広く投資している。

今回、どのような縁で米投資ファンドとベビースターラーメンが接点を持ったのかは不明だ。ただ、提携の目的を「海外展開の加速」としているように、おやつカンパニーでは、83年にベビースターラーメンの香港への輸出を始め、その後、台湾やタイ、シンガポール、メキシコと輸出先を拡大してきた経緯はある。

カーライル流で飛躍なるか

過去のインタビューでも、松田好旦社長は「ちょうど私が30歳(1978年)になった頃、日本だけでなく全世界の子供たちにこの商品(ベビースターラーメン)を広めようという大きな野望を持って、香港と台湾に行きました」(共立総合研究所刊『REPORT』より)と話しており、昔から海外への展開意欲があったようだ。

カーライル・ジャパンの安達氏は昨年のインタビューでこうも述べている。「われわれは、経営陣や従業員と同じ船に乗ることを考えて投資します。株主として儲ければいいという人たちと違い、会社にとっていいことをするという方針です」。

果たして、カーライルの資本を仰いだことで、「グローバル・スナックカンパニー」へと変貌を遂げられるのか。それとも、経営体制の刷新で支障を来すようなことはあるのか。いずれにしても、”カーライル流”海外展開の一手が待たれるところだ。

田嶌 ななみ 東洋経済 記者

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たじま ななみ / Nanami Tajima

2013年、東洋経済入社。食品業界・電機業界の担当記者を経て、2017年10月より東洋経済オンライン編集部所属。

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