(第6回)住宅投資・耐久財と借り入れ・輸入の関係

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(第6回)住宅投資・耐久財と借り入れ・輸入の関係

2007年ごろまでのアメリカで、住宅投資と消費(なかんずく耐久財消費)が、GDP伸び率より高い伸び率で増加したことを前回述べた。この増加は借り入れに支えられたものであったが、このことを借り入れのデータで直接にチェックしてみよう。

アメリカの資金循環表によれば、02~06年の5年間において、家計の借り入れ増は5兆2149億ドル、うちモーゲッジローンの増は4兆5126億ドル、消費者ローンの増は5233億ドルである。残高の推移は、下図に示すとおりである(原データの不連続性によって、残高の差と右の数字は少しずれる)。

他方、GDP統計によれば、この間の住宅投資は3兆3046億ドル、耐久財消費は5兆3070億ドルだ。

以上から、アメリカの住宅投資のほぼ全額と、耐久財支出の約1割が借り入れによって支えられていたことがわかる(モーゲッジローンの借り入れ増のほうが住宅投資より多くなっているが、その理由は不明)。このために、支出が金融緩和とともに増加したのだ。

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