(第5回)アメリカの家計が、借り入れで支出を増加

(第5回)アメリカの家計が、借り入れで支出を増加

アメリカにおける住宅価格、モーゲッジローン、証券化商品への投資の変化は、金融的な現象である。これは経済の実物面にも大きな影響を与えた。

以下で述べることの要旨をあらかじめ示しておくと、次のとおりである。
(1)アメリカの家計が、借り入れによって住宅投資と耐久財消費を増やした。
(2)それはアメリカの対外経常赤字の拡大になって現れた。
(3)借り入れは、住宅価格の上昇に支えられた部分が大きい。したがって、住宅価格が下落すると、住宅投資も耐久財消費も急激に落ち込む。
(4)それはアメリカの経常赤字を急激に縮小させ、世界経済に大きな影響を与える。

今回の経済危機の本質はここにある。日本経済が大きな打撃を受けた理由は、これである。

これまで金融・経済危機に関して行われてきた議論の多くは、金融面に焦点をあてている。とりわけアメリカで行われている議論は、そうである。議論の中心は、住宅価格と証券化商品投資のバブル膨張と、その崩壊過程に関するものだ。

こうした議論はもちろん重要なのだが、日本の立場から見て重要なのは、先に示した実物面での変動である。しかもそれには為替レートの変動という要因も加わった。そしてこれらの要素が複雑に絡み合って事態が進行したのである。

前回の図で示したように、2001年以後のアメリカで、住宅投資と消費支出が高い伸びを示していることが注目される。

まず住宅投資について見よう。私は04年から05年にかけてカリフォルニア州にいたのだが、さまざまな場所で新築住宅が目についた。海沿いの保養地に向かう途中、それまでは何もなかったところに新しい豪華な住宅が立ち並んで風景が一変していたので、驚いたことがある。

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