ダラダラと長引く会議に圧倒的に欠けてる視点 アメリカでは出席する人も絞って効率化する

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ちなみにスタンフォードでは、特に終了時間を決めていなくても、「会議は最長1時間」が暗黙の了解になっています。スタンフォードに行ったばかりの頃、「月曜の朝8時から会議」というのが普通にあって驚きましたが、今ではそれが快適です。西海岸は朝型の人が多く、また、朝早くは来客とのアポイントメントが入ることも少ないので、みんな集まりやすいという理由なのでしょう。

私は朝6時には研究所に行き、午前中は主に1人で頭を使う仕事に当てていますが、終了時間が決まっているからこそ、「会議は9時に終わるから、そのあと**をしよう」と予定が立ちます。

逆に言うと昔の日本のように「9時から会議」と開始時間だけが厳密に決まっていて終了時間が曖昧だと、会議がだらだらと長引きます。「いつ会議が終わるか誰にもわからない」という状態だと、自分自身で時間をコントロールできなくなるので、仕事のペースが乱されて成果も出にくくなるでしょう。

「なんとなく会議」をやめる

特にアジェンダもないのに、「そういうものだから」として行われる定例会議などは、まさに会議のための会議になっているのではないでしょうか。

日本はこのパターンが多いと感じます。そして私が見るところ、日本の会議の多くが長くなる原因はもう1つあり、それは「必要がない人」が参加していることです。

スタンフォードの場合、基本的に自分で招集する5、6人のメンバーを選抜しますが、それはそれぞれ必要な意見を述べてくれる専門家たちです。また、メンバーの専門の範囲を超える場合は、外部から専門家を招集することも多いです。

動物実験について話し合うのであれば、アジェンダに応じて動物実験施設の担当者に議題内容を説明して参加してもらいます。専攻を問わず、教授と名のつく人がほぼ自動的に委員に選任されて、会議に出席を要求されるような委員会もありません。

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