相次ぐ特許切れに悩むアステラス製薬、再び敵対的買収を敢行

相次ぐ特許切れに悩むアステラス製薬、再び敵対的買収を敢行

医薬品で国内2位のアステラス製薬が、米企業の敵対的買収に乗り出した。

3月2日から31日にかけて、米ナスダック上場のOSIファーマシューティカルズ社に対し、株式公開買い付け(TOB)を実施。買収価格は1株52ドルで、OSI社株の直近3カ月の終値平均に53%のプレミアムを載せている。全株式を取得した場合、総額35億ドル(約3100億円)の巨額を投入することになる。

OSI社は、2009年に全世界で12億ドルもの売り上げ実績がある肺がん治療薬「タルセバ」を開発した有力企業。がんや糖尿病、肥満関連の分野でも医薬品開発を進めている。

実はアステラスにとって、敵対的買収は2度目の挑戦。

昨年2月の米国バイオベンチャー買収では、ホワイトナイト(対抗馬)が現れて価格面で敗北に追い込まれた。それだけに今回は失敗が許されない。これまで13カ月にわたってOSI社首脳に書簡や面談を通じて買収の意思を伝えてきたが、協議の拒否を通告され、敵対的買収に乗り出すこととなった。

しかし、買収の成功は容易でない。OSI社はスイスのロシュ社との関係が深く、タルセバはロシュおよび同社子会社のジェネンティックが販売権を持っている。このため、ロシュの動向が注視されるうえ、新たに対抗馬が出てくる可能性も否定できない。

クレディ・スイス証券アナリストの酒井文義氏は「1株52ドルで買収するのは困難だろう。仮に対抗馬の登場で買収価格が1株60ドル以上へと吊り上がっていった場合には、買収によるのれん代償却がかさんで業績の下振れリスクが大きくなる」と指摘する。

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