CoCo壱番屋に学ぶ・制約条件の中での生き残り!《それゆけ!カナモリさん》

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 そんな中、ココイチの生き残りの一手は、当事業年度より新たな営業施策として開始した「ストアレベルマーケティング」だという。「ストアレベルマーケティング」とは、これまでの全国均一のサービスに加えて、それぞれの店舗の特性に応じた独自のサービスやメニューを、店舗で考え、提供する新たな取り組みです。地元の食材をトッピングに加えたり、週末にお子様向けのイベントを開催したりするなど、店舗の活性化を図ってまいりました。(同社短信)

■ココイチで地域限定メニューって?

 ところで、店限定メニューといえば、青息吐息の外食産業において、不景気を追い風に気を吐いている「餃子の王将」が思い出される。売上高29カ月連続で前年同期を上回る好調ぶり。セントラルキッチンを持ちながら、看板メニューの餃子は全店で手作りするほか、各店舗がその地域の客層に合わせて工夫を重ねて展開するオリジナルメニューの数々が餃子の王将の売りだ。確かに不景気の中、割安なメニューが並ぶ同店に多くの人が行列するのは確かだが、人を惹きつけている魅力は安さだけではない。チェーン店としてだけでなく、“街の中華料理屋”としても楽しめるのだ。

 オリジナルメニューで魅力を演出。これは言うは易く行うは難しである。特に、カレー店のココイチにとってはだ。中華なら豊富な食材や調理方法がある。しかし、ココイチにはカレーしかないのである。しかも、ココイチのカレーは極めてスタンダード。当たり前なメニューを温かく提供することが同社のポリシーであり、注文を受けてから小鍋で温めることにそれが表れている。しかし、特別な技は持っていない。厨房の調理器具や食材も限られている。その中で「ストアレベルマーケティング」を実現することは、いかに知恵を絞らねばならないか想像に難くない。

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