サイバーダイン、株価乱高下の必然 値動きの荒さは期待の高さゆえか
ロボットスーツ「HAL」を手掛ける筑波大学発のベンチャー、サイバーダイン。注目の新規株式公開企業として、3月26日の上場初値は公開価格の2.3倍となる8510円をつけた。初値ベースでの同社の時価総額は100億円弱。その日の売買代金は446億円と、時価総額が約20兆円のトヨタ自動車を上回った。
上場当日、東京証券取引所での会見で山海嘉之社長は「来期(2015年3月期)は売上高が今期(14年3月期)の3~4倍、利益もブレイクイーブン(収支均衡)に乗せられそうだ」と、今後の成長に自信を見せていた。
15年3月期も赤字
ところが、5月15日に示した15年3月期の通期業績予想は、1カ月半前の公言とは大きく違った。成長は続くものの、「3~4倍」としていた売上高の見通しは前期比約2倍の9億200万円にとどまり、経常損益は収支均衡どころか、3億300万円(14年3月期は6億8200万円の経常赤字)と引き続き赤字が継続する計画だったからだ。
赤字見通しに株式市場は失望した。業績見通しの発表直前、15日の終値は7040円だったが、翌16日は前日比約13%安の6110円。さらに週明けも売り圧力はおさまらず、17日の終値は5110円。わずか2営業日で3割近くも値を下げた。
「ブレークイーブン」とした上場時のあの発言は何だったのか。上場時の前提からどんな狂いが生じたのか。
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