新型コロナ「7段階モデル」で今冬の流行を予測 高橋泰教授「98%は風邪、血管が弱いと要注意」

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高橋泰(たかはし・たい)/国際医療福祉大学大学院教授。金沢大学医学部卒、東京大学医学博士(医療情報)。スタンフォード大学アジア太平洋研究所、ハーバード大学公衆衛生校に留学後、1997年から現職。社会保障国民会議や日本創生会議などで高齢者の急増、若年人口の減少に対応した医療・介護提供体制の整備の必要性を提言。新型コロナの「感染7段階モデル」が話題に(撮影:尾形文繁)

――GoTo以降の新型コロナの動向について解説をお願いします。

GoToキャンペーン直前に「日本でも10万人以上が亡くなる可能性がある」という予測が有名になった。一方、私は同時期に7段階モデルを用いて次のように予測した。

「地方を中心に2000万人程度が新たに暴露、その中の100万~200万人が感染し、仮にPCR検査を行えば陽性という状況になる。暴露者の2%程度に実際に発熱や倦怠感などの症状が現われ、その一部が医療機関で受診してPCR陽性となる。これまでにない多くのPCR陽性者が現れたとして地方はパニック状態となるが、じつは氷山の一角であり、多くの感染者は無症状無自覚のまま終わる。2000万人の暴露者の中から600人の重症者、200~300人が亡くなる」(参考記事:東洋経済オンライン8月7日付「新型コロナ、『2週間後』予測はなぜハズレるのか」)

暴露力は強いが、発症は拡大しにくい

ほぼ予測どおりに、PCR検査の一時的急増により石垣島などで小さなパニック状態が起きたが、これまた予想どおりに重症者や死亡者数が伸びず、比較的短期間で騒ぎが落ち着いた。新型コロナは暴露力が物凄く強く、広がり始めると、短期間で地域全体が暴露状態になるが、感染しても次の人にうつすようになる人は少なく、地域で発症者が拡大することの少ないウイルスであることがGoToキャンペーンではっきりしたと思われる。

最近でも弘前で大きなクラスターが発生したときにその後の予測を求められ、石垣と同じように短期間で収束するという見込みを述べたが、こちらも予想どおりとなっている。

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