トヨタの歪んだ釈明、巨大リコールの真因--規模拡大と品質は両立していた

トヨタの歪んだ釈明、巨大リコールの真因--規模拡大と品質は両立していた

「率直に言って、過去数年の成長スピードは速すぎた」。2月25日、米国議会の公聴会で、豊田章男トヨタ社長はこう言い切った。「安全性や品質を重んじるトヨタ経営の優先順位が崩れていた」。

出席に先駆けて、米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙に「基本に立ち返る」と題した手記も寄せた。

規模の拡大が品質低下を招いたという見解は事実なのか。

週刊東洋経済は、国土交通省と米国高速道路交通安全局に提出された過去5年以上にわたるリコール事例を検証した。その結果は、豊田社長の発言とはまったく異なるものだった。トヨタ車の不具合はここ最近、激減しているのだ。

「熊本事件」の後リコール台数は減少

2004年8月、熊本県内でトヨタ製ハイラックスがかかわる重軽傷事故が発生し、10月にトヨタは同車種の約33万台をリコールした。ハンドル操作を車軸に伝える部品が強度不足で折損し、クルマをコントロールできなくなるおそれがあった。

この年はトヨタの大型リコールが相次いだ。米国ではハイランダーがドアの不具合により37万台、国内でもウィッシュなど12車種計54万台が制動灯などの不具合により対象となった。日米リコール台数は約304万台となり、北米・日本を合わせた生産台数の6割相当に上った。

トヨタの品質が過去最も“弛緩”したのがこの頃だったかもしれない。翌05年にはカローラなど16車種の前照灯スイッチなどに不具合が見つかり、127万台という過去最大規模のリコールを届け出た。さらに米国でサスペンション関連77万台、シートベルト関連35万台をリコールしたため、年間リコール台数は両国で315万件とさらに拡大した。

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