乗車人数を制限、ポーランド「交通コロナ対策」 周辺諸国より厳重だが感染者数増加は止まらず

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チェコでもマスクまでは当たり前のように見かけるが、フェイスシールドを着用した人はこれまで見かけたことがない。違反すれば高額な罰金を科せられることも関係しているだろうが、下車後も大半の人はマスクをそのまま着用していた。

地下鉄駅構内の様子。マスクのみならず、フェイスシールドを着用している人の姿も見える(筆者撮影)
トラムの出入り口にある、車両ごとの人数制限を示す張り紙(筆者撮影)

交通機関で目を引くのは、車両の各出入り口に「1.5m以上の間隔を保つように」という張り紙と共に数字を書いた紙が貼ってあることだ。内容は「この車両の最大人数は○人」、つまり車両ごとの人数制限である。

各駅、各停留所に係員がいるわけではなく、車掌がいないワンマン運転なので人数確認はできないが、乗客の自主性に任せ、明らかに混んでいたら乗るな、という警告でもあるだろう。地下鉄駅構内のスクリーンやトラム車内のディスプレイにも、広告表示の合間にマスク着用、1.5m以上間隔を保つことを促す映像が頻繁に流れていた。

ワルシャワのラッシュは、日本のような混雑となることはないので、乗客同士の間隔はおおむね基準通りに保たれていた。大型イベントも開催が中止されており、列車内が「密」になるような状況はないものと思われる。

ドア開閉ボタンにはガムテープ

また、出入り口のドア開閉ボタンには厳重にガムテープを貼り、使えないようにしている。

ドア開閉ボタンはガムテープによって厳重にカバーされ、押せないようになっている(筆者撮影)

ワルシャワを含めヨーロッパの多くの都市では、トラムや地下鉄のドアは乗客自身がボタンを押して開閉するが、現在は乗客がボタンに触れずに済むようにドアを自動で開閉しているためだ。

チェコでもドアの自動開閉は行っているが、ガムテープでボタンを覆うことまではしていない。

このほか、乗務員の感染予防として運転席背後の区画にはテープを張り、立ち入りできないようにしている。日本でもバスは運転席直後の席を使用禁止にしているが、ワルシャワはドアで完全に運転室が密閉できる鉄道も含めて立ち入り禁止にする徹底ぶりだ。

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