『ルポ 貧困大国アメリカII』を書いた堤未果氏(ジャーナリスト)に聞く

『ルポ 貧困大国アメリカII』を書いた堤未果氏(ジャーナリスト)に聞く

「パート1」の前作で、貧困層が最貧困層に転落する姿をリアルにルポしてから2年。リーマンショックに見舞われる一方、オバマ政権が誕生したアメリカでは、中流階層に貧困化が広がっているという。

--オバマ登場で状況は変わりましたか。

オバマ大統領になったときに日本人はものすごく期待した。むしろアメリカ国民以上に。お上にお任せ意識が強いだけ、すばらしい人が現れて前任の暗黒の8年を一変させてくれると思ったのかもしれない。

就任1年で、歴代の大統領でもこんなに支持率が下がった人はいないだろう。日本人の間ではよくわからないという声が聞かれた。

1年たってアメリカ人の生活はとても苦しくなっている。もう夢を見ていられない。実際、政策はさほど変わっていない。戦争予算はハネ上がっているし、社会保障、教育予算は相変わらず削られる。医療破産も変わらないし、家を差し押さえられる人はむしろ増えている。夢が大きかった分、失望も大きい。

報道されているニュースは失業率が少し下がったとか、株価が上がってきたとか、金融危機をアメリカも脱してきているとか。私は人の暮らしがあって社会があると思っているので、人の暮らしが相変わらず悪化しているのなら、それは経済政策の成功とは思えない。

--アメリカ各地に何回も取材に行ったようですね。

何度も行った。正直に言って大変だった。前作の取材の相手がどうしているのか。リベラル派の人たちがどっとオバマ支持になった。そういう人たちをまず訪ねた。アメリカ国内で調べて発信することがずっと難しくなっている。圧力がかかるし、ジャーナリストで逮捕される人も出ている。テレビは「テロとの戦い」をあおるが、国内で起きていること自体はあまり報道しない。

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