「新宿線―東西線直通」へ、西武社長の意気込み ダサイタマ返上、「プライドを持てる路線に」

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――西武ホールディングスの株主総会では、新宿線沿線に住む株主から、「池袋線ばかり設備投資や開発が進んでいる。新宿線はどうなんだ」という質問がしばしば出ています。

新型特急ラビューは今のところ池袋線のみの運行だ(撮影:尾形文繁)

それはおっしゃるとおり。池袋線は都心との相互直通運転も行っているし、特急ラビューも池袋線だけ。新宿線では連続立体交差の事業が始まり、これから踏切の除却が進んでいくが、大きな課題は利便性の問題だ。新宿線は西武新宿止まりなので、高田馬場で乗り換えて都心に向かう人が多い。そこにお客様の不満がある。都心乗り入れの利便性をどう上げていくかは当社にとっての大きなテーマ。株主総会でもつねに要望が上がっており、経営課題であるのは間違いない。

――西武新宿から延伸して都心に乗り入れるのですか。

いや、西武新宿よりも手前だ。高田馬場から東京メトロ東西線に乗り入れるとか、いろいろな選択肢がある。関係者が多いので、これから詰めていくことになる。

次世代の車両に必要なものは

――JR東日本は変動運賃や終電繰り上げに前向きです。

運賃については当社だけが変えたいと言っても認めてもらえるものではない。会社としてどうするかは何も決まっていない。終電繰り上げについては、当社としても、安全確保のためには作業時間をしっかりと取らなくてはいけない。お客様の行動変容が起きて、夜の利用状況に変化が出ている状況において、終電繰り上げによってどのような影響が出るのかを社内で検討するよう指示を出している。たとえば平日の終電を繰り上げても、金曜日だけは少し遅くするダイヤを作るといった方法もある。

――コロナ後の車両とはどのようなものになりますか。

テレワークが進んでも電車通勤がなくなるわけではない。通勤電車の車内で1時間過ごしていただくときに、「ゆっくりと車窓を眺めてリラックスしてください」だけでは済まない。次世代の車両に何が必要なのかはお客さまが知っている。それをリサーチして、次の車両を考えていく。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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