コロナ禍カレー作りにハマった人の「その後」 カレー作りからさまざまな世界が広がった

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「周りの人たちとのコミュニケーション量が、圧倒的に増えました。いろいろな人に『いつも美味しそうなの作ってますね』『この前あのカレー店行きましたよ』などと話しかけられるようになったし、クライアントとの打ち合わせでも、最初にカレーの会話をして距離を縮められるようになりました。長く連絡が途絶えていた人から、『僕もカレー作ってますよ!』と連絡が来たこともあります。

カレーのことだと、本当にずっと会話が続くんですよね。いったい何をそんなに話しているんでしょう?(笑)」(濱門氏)

その後、濱門氏のカレーへの傾倒ぶりが、意外な展開を呼ぶことになる。

「ウィズコロナでさまざまな価値観が揺らいでいる今こそ、会社として何か新事業を始めようという話になり、それなら濱門さんが社内で話しまくっているカレーがいいのでは?となったんです。

カレーは多様性に富み、作り手が好きなように作れる自由さがあります。そこはアートとも重なりますが、カレーにはより身近でハードルが低いという強みがあります。そうした特性を『カレー思考』と名付け、今後カレー思考の下、カレーに関する自由で面白いモノやサービスをいろいろ作っていこうと考えています」(濱門氏)

1日最低1回カレー作る会社員

3人目は、カレー哲学氏(29)。大学の哲学科を卒業後、大手メーカーに勤めながら、同ハンドルネームでSNSにカレー関連のさまざまな投稿を行っている。コロナ以前は、ほぼ毎日カレー店を食べ歩き、自作カレーも週1~2回ほど作っていた。

カレー哲学氏は、現地スタイルの本格インド亜大陸料理をよく作る。この日はネパール料理のレシピで作ったチキンダルバート

ところがコロナ禍により完全在宅勤務となり、往復約2時間半かかった通勤がなくなった。さらには緊急事態宣言を受け、カレーの食べ歩きもほぼゼロに。

その浮いた時間で始めたのが、「カレーを毎日作ること」だった。3月末から9月半ば現在まで、1日最低1回、時には1日に複数回作るようになり、すでに180日以上も毎日カレーを作り続けている。

「以前は手間のかかるレシピは時間がなくてあまり作れませんでしたが、今はそれも作れています。型を身に付ける、ではないですが、レシピ本に載っている料理を1冊まるまる作ることもあります」(カレー哲学氏)

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