「侍ジャパン」から始まる、野球の大逆襲 野球界が、真の改革へと動き出した

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野球ファンとサッカーファン、構造の違い

この視点に、賛同できない読者も少なくないだろう。サッカー界を見た場合、日本代表ファンが極めて多いにもかかわらず、Jリーグファンは増えていないからだ。

だが、そもそも日本における野球とサッカーのマーケットでは、ファン層の構造が異なっている。

世界の観客動員ランキングでトップ10前後につけるJリーグだが、スタジアムに足繁く通うのは一部のファンに固定されている。日本のサッカーファンは2層に分かれていて、大半を占めるのがライトファン=代表ファンだ。彼らは青いユニフォームを着た本田圭佑、香川真司、長友佑都らに熱狂するが、極端に言えば、代表選手の所属クラブへの貢献度にはさほど関心がない。

一方、日本の野球ファンは3層に分かれている。G党や虎党という各球団のファン、そしてライトファンの間に、野球ファンという層がいるのだ。

野球ファンとはつまり、球場にはめったに足を運ばず、各球団のファンクラブに加入しているわけでもないが、毎日インターネットでニュースや結果をチェックし、統一球問題やトレード、年俸更改などの話題に仲間内やネット上で盛り上がる。毎年春や夏になると、高校野球の季節にウキウキするのもこの階層だ。三角形全体の中で、野球ファンは大きなボリュームを占めている。

ちなみに野球のライトファンとは、WBCやオリンピックという国際試合、さらには田中将大のメジャーリーグ初登板のような“国民的お祭り”には関心のある層だ。フジテレビの『珍プレー好プレー大賞』やTBSの『戦力外通告』が長らく人気コンテンツとして続いているのは、マニアだけでなく、ライトファンにも人気があるからだろう。

サッカーと野球におけるファン構造が決定的に違うのは、ベン図にするとよくわかる。日本代表とJリーグのファンは一部でしか重ならないものの、侍ジャパンのファンは野球好きの中に含まれるのだ。

 

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