採用担当者が川柳でぼやく「Web面接に母乱入」 「リモートで面接するため出社する」と嘆く声も

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リモートで 面接するため 出社する(東京都 ウチサダイタルさん)

採用活動時期を直撃した今回のコロナ禍。早急な対応を迫られ、企業の採用担当者はさぞかし苦労し、戸惑ったことだろう。

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新型コロナウイルスの感染拡大防止のためにリモート面接を設定しているにもかかわらず、自宅の通信環境が不安定なのか、上司の面接支援のためなのか、その理由のほどは定かでないが、自分自身はそのリモート面接のために出社しなければならないという矛盾を端的に表した作品である。シンプルながらも、作者の戸惑いとやるせない気持ちがうまく表現されている。

ほかにも、リモートで面接を設定しているにもかかわらず、面接官である役員がペーパーでの面接資料を要求するため、その出力のためだけに出社するやるせなさを詠んだ作品などもあった。

設定がプライベート用のまま

面接で 「ウサギの耳は 外してね」 背景外し 耳は外れず(神奈川県 学生を見る目が母親モードさん)

「Zoom飲み会」という言葉がSNS等でも話題になったように、Web会議ツールを面接だけでなく、プライベートでも利用している学生は多い。しかし、プライベートでの設定のまま切り替えを忘れてしまうと、面接の場面でこのような悲劇も起こってしまうという例。

ZoomなどのWeb会議ツール用に、仮想背景のほか、加工フィルター機能のあるアプリがある。例えば、実際には化粧をしていなくてもナチュラルメイクをしたかのように顔の部分を自動的に補正してくれたり、今回の作品にあるようにウサギの耳などキャラクターと合成したり、ひげを生やしたりした顔の画像に加工してくれる。

面接用の画面にログインした後に、自分の画像を見て驚いた学生がプライベートで設定していたウサギの耳を外そうとしたものの、誤って仮想背景のほうを外して部屋の様子は丸見えになるばかりでなく、ウサギの耳は残ったままというミスを犯し、焦りまくっている学生と、その状況に驚くとともに吹き出してしまいそうになる面接官の様子がよく伝わってくる。ちなみにこの学生は女性ではなく、男性だったとのこと。

HR総研のオフィシャルページでは、「2021年卒 採用川柳・短歌/就活川柳・短歌」の全入選作品について、作者の思いを踏まえての寸評・解説も掲載している。それぞれの作者がどんな気持ちでこの川柳や短歌を詠んだのか、ぜひご覧いただきたい。

松岡 仁 ProFuture HR総研 主席研究員

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まつおか ひとし / Hitoshi Matsuoka

就職情報会社3社を経て、2009 採用プロドットコム(現ProFuture)に入社。新卒採用に限らず、キャリア採用、人材育成、人事制度、人事システム、労務、法改正対応等、人事領域に関連する幅広い各種調査の企画、実施・分析を行う。朝日新聞、日経新聞をはじめ、新聞、人事系雑誌、テレビからの取材依頼も数多い。

 

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