へいしゅうせんせえ 童門冬二著

へいしゅうせんせえ 童門冬二著

上杉鷹山(ようざん)(治憲(はるのり))といえば財政難で破綻寸前だった米沢藩を藩政改革と藩士たちの意識改革によって見事救った名藩主であり、人物伝も多数存在する。

四半世紀前いち早く『小説上杉鷹山』を上梓した著者が、鷹山の師でもあった細井平洲(へいしゅう)を主役に据えて執筆した自家薬籠中の小説である。鷹山や藩士たちも主役同然に登場し、旧著と重なる史実が多いとはいいながら、「教える側」からの視点はなかなかに興味深い。

経営者やミドルが部下をどのようにその気にさせるか、話に引き込ませるにはどうしたらいいか、など話術の神髄を平洲から巧まずして学ぶことができる。しかもテクニックにとどまらず、心の問題としての教訓がちりばめられている。不況脱出、経営再建に参考とすべきヒントが随所にあるのも鷹山本ならでは。

連載を単行本化したせいか終章近く話に若干の矛盾がなくはないが、うっかり読み過ごせない話が、よどみなく展開される。(純)

潮出版社 1785円

  

関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
朴槿恵大統領の罪と罰

韓国検察は朴大統領を同国憲政史上初めて立件した。親友を不当に国政へ介入させた容疑だ。支持率は史上最低の1ケタ、政権はもはや死に体。対日関係は再び不安定化するのか。