日本製鋼所が挑む"脱原発"の構造転換 鉄鋼業界にも飛び火したシェールガス革命の熱気
「やられた」――。昨年、日本製鋼所の産業機械事業部で造粒機の営業を担当する井澤正輝さんは肩を落とした。井澤さんが逃したのは、北米のプラント向けの造粒機の受注。落札したのはライバルの神戸製鋼所とみられる。
今、北米市場を狙って日系2社が激しい受注バトルを繰り広げている。キーワードはシェールガス革命だ。
現在、北米では大型の石油化学プラントの建築計画が続々と進められている。これまでの石油化学プラントは中東諸国の石油生産国や中国など消費大国での建設が主だった。ところが、北米で安価なシェールガスが量産されるようになると、状況が一変。掘削時に副産物として大量に産出するエタンガスを利用するためのプラント作りが進んでいるのだ。
作れるのは世界で3社だけ
石油化学プラントでは、原油から重油やナフサなどさまざまなものを精製している。その中でも、ナフサから作られるエチレンやプロピレンは、プラスチックを作るのに欠かせない素材。エチレンやプロピレンをポリエチレンやポリプロピレンに生成し、プラスチックの原料となるペレットを作る際に造粒機が必要となる。
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