就活生が川柳に込めたWeb面接「あるある体験」 ネット環境に苦戦「止まる回線 止まらぬ汗」

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「立ってみて」 下の確認 祈られた (京都府 ほそまっちょになりたい。さん)

「Web面接あるある」で、今回の応募の中でも最も多かったのが、上半身だけスーツで下は部屋着で面接したというネタだ。

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あまりの多さに、上下ともにスーツでWeb面接を受けている学生など、世の中に存在しないのでないかと思ってしまうほど。この作者も、下はパジャマでWeb面接を受けていたところ、運悪く下半身の服装チェックを受けてしまい、選考を落とされた、という状況と残念な気持ちをうまく端的に表現できた作品だ。

大事な面接だからこそリラックスして臨みたいという作者(就活生全般?)の気持ちも十分にわかるが、スーツを上下でピシッと決めて面接に臨むのも気持ちが引き締まっていいものだ。この面接以降は、この作者はどんなスタイルでWeb面接を受けたのだろうか。下はパジャマを継続していた場合、意志が強いと言っていいのか、学習能力がないと言っていいのか。

企業の対応力に厳しい目

コロナ禍で わかる企業の 対応力 (神奈川県 ぬんぴぃさん)

新型コロナウイルスの影響を大きく受けた就職活動で、就活生たちは企業ごとの底力や対応力の違いを見ることができた。迅速な対応により、予定していた対面式の会社説明や面接をすぐにWeb説明会やWeb面接へ変更し、滞りなく採用活動を続けられた企業は学生からも厚い信頼を得られた。

一方、オンライン化に上手く対応できず、緊急事態宣言中にも対面式の面接、さらにはグループディスカッション面接に呼び出しをするような企業は、学生からの厳しい目にさらされたと言っていい。「コロナ禍の中ウェブ面接への移行などへの対応力から、企業のスピード感や風通しなど例年では推し量れない部分まで感じ取ることができました」と作者。採用活動では、企業も学生から評価されているんだということをあらためて認識させられる。

さて、HR総研のオフィシャルページでは「2021年卒 採用川柳・短歌/就活川柳・短歌」の全入選作品について、作者の思いを踏まえての寸評・解説も掲載している。それぞれの作者がどんな気持ちでこの川柳や短歌を詠んだのか、ぜひご覧いただきたい。次回は、採用担当者による「2021年卒 採用川柳・短歌」を紹介する。

松岡 仁 ProFuture HR総研 主席研究員

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まつおか ひとし / Hitoshi Matsuoka

就職情報会社3社を経て、2009 採用プロドットコム(現ProFuture)に入社。新卒採用に限らず、キャリア採用、人材育成、人事制度、人事システム、労務、法改正対応等、人事領域に関連する幅広い各種調査の企画、実施・分析を行う。朝日新聞、日経新聞をはじめ、新聞、人事系雑誌、テレビからの取材依頼も数多い。

 

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