パナソニック、今期1400億円の最終黒字 構造改革を900億円で完遂へ

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 4月28日、パナソニック は2015年3月期連結当期純利益が1400億円になると発表した。写真は会見する津賀一宏社長(2014年 ロイター/Toru Hanai )

[東京 28日 ロイター] - パナソニック <6752.T>は28日、2015年3月期連結当期純利益(米国会計基準)が1400億円になると発表した。前年同期は1204億円。最終黒字は2年連続。プラズマパネル撤退や半導体売却など前期から継続してきた構造改革は「今期でやり遂げる」(津賀一宏社長)方針だ。

今期の売上高は7兆7500億円(前年同期は7兆7365億円)、営業利益は3100億円(同3051億円)を計画。営業利益予想は、ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト20人の予測平均3256億円を下回る。

国内家電は縮小傾向が続くが、車載など企業向け(BtoB)事業の伸びで連結売上高の維持を図る。営業利益面では、ヘルスケア事業の売却など減益要因はあるものの、前期までの構造改革効果を550億円織り込んで増益を図る。

<液晶パネル事業は「さまざまな検討」>

今期の構造改革費用は900億円を計画。前期は、プラズマパネル事業からの撤退のほか、イスラエル社に売却予定の半導体事業の減損など、2074億円の構造改革費用を計上。今期は、積み残した構造改革を完遂して、課題事業の撲滅を図る方針。

課題の液晶パネル事業は、構造改革の対象になっているとみられるが、津賀社長は、液晶パネル姫路工場(兵庫県姫路市)の処理について「答えられるものはない」とだけ述べた。ただ、「長期的にはさまざまな可能性を検討する必要性は認識している」と語った。

<財務改善、純有利子負債は解消へ>

中期計画1年目となった14年3月期は、構造改革とともに財務改善も進んだ。手元資金から有利子負債を差し引いた純有利子負債は14年3月末で476億円まで圧縮した。12年9月末の1兆0877億円、13年3月末の6433億円から大幅に削減した。

15年3月末は「ネット資金」でプラスを計画し、純有利子負債の解消は、16年3月末の中期計画の終了を待たずに達成する見込み。

15年3月期の設備投資は2550億円(前年同期は2170億円)を計画。米テスラ・モーターズ向けのリチウムイオン電池増産に向けた投資120億円を織り込んだ。今期の設備投資計画は、 減価償却費の2770億円(同2788億円)に対する比率が92%(同77%)まで高まる。

津賀社長は設備投資の方針について「減価償却費の7割のレベルでは絞りすぎ。財務体質も想定以上によくなっているので、できるだけ早く正常に戻したい」と述べた。

 

(村井令二 編集:吉瀬邦彦)

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