マツダの今期営業益、2年連続で最高 アナリスト予想は下回る

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 4月25日、マツダは2015年3月期の連結営業利益が前期比15.3%増となる見通しと発表した。写真は同社のロゴマーク。ニューヨークで16日撮影(2014年 ロイター/Carlo Allegri)

[東京 25日 ロイター] - マツダ<7261.T>は25日、2015年3月期の連結営業利益が前期比15.3%増の2100億円となる見通しと発表した。

独自の低燃費技術「スカイアクティブ」の搭載車種拡大などで採算が改善し、2年連続で過去最高益を更新する見込み。

トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト22人の営業利益の予測平均値は2270億円で、会社予想はこれを下回る。

会見した小飼雅道社長は「前期は確実に計画通り実行できた。安定した基盤づくりができた」と振り返り、今期も品ぞろえの拡充、売り方の革新や正価販売を継続し、「構造改革プランを加速する」と語った。

今期の売上高は同7.7増の2兆9000億円、純利益は同17.9%増の1600億円をそれぞれ見込む。年間配当予想は10円。

世界販売計画は同6.7%増の142万台。昨秋、世界各国で投入した、スカイアクティブ搭載の主力車種「マツダ3/日本名:アクセラ」が通年で寄与するほか、品ぞろえも拡充。メキシコ新工場の本格稼働で供給能力も向上したことから過去最高の販売台数を目指す。

国内は消費増税前の駆け込み需要の反動減などもあって同6%減の23万台を見込むものの、北米で同13%増の44万台、中国が同17%増の23万台、欧州が同6%増の22万台と拡大する。

前提為替レートは1ドル=100円(前期は100円)、1ユーロ=135円(同134円)とした。前期の円安効果は営業利益1127億円の押し上げにつながったが、今期は一転して30億円のマイナス要因になる。

足元の状況を踏まえ、構造改革プランで掲げていた経営目標を見直した。16年3月期の営業利益予想は2300億円(従来は1500億円)に増額し、同期の営業利益率目標を7%以上(同6%以上)に引き上げた。為替の前提は1ドル=100円(同77円)、1ユーロ=135円(同100円)に変更した。

一方、16年3月期の世界販売計画は152万台とし、従来の170万台から下方修正した。日米欧など先進国市場は当初の計画通りだが、中国を含めたアジア市場で新世代商品の投入がずれ込むことを反映させた。

小飼社長は、従来目標の170万台はいずれ「しっかり達成したい」と強調し、「16年3月期決算時の次期中期計画を立てる段階で到達時期は申し上げる」と語った。

 

(白木真紀)

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