駅で見かけるレンタル傘「アイカサ」って何だ? 1日たった70円、ビニール傘はもういらない?

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――万が一、傘が壊れた場合は?

「壊れたら、こちらで修理します。連絡をいただき(連絡はLINEでのやりとり)、傘立てに壊れた傘を返しておいていただければ、回収します。傘の骨は1本1本取り替えられるのです。傘の骨はグラスファイバー、布はポリエステルが主で、今後は再生素材の導入も予定しています」

――たまにアプリの自分の位置情報がずれることがありますね。

名古屋鉄道とのコラボの傘(アイカサ提供)

「アプリは毎日精査して、3日に1度更新しています。ダウンロードしたアプリは、週に1回はアップデートしていただけるよう推奨しています」

アイカサのスポットは、どんどん全国に広がっている。6月22日には、JR東日本横浜支社・京急電鉄・みなとみらい線と連携し、3社13駅にレンタルスポットを設置した。街中も、みなとみらいを中心に置かれ、観光目的の周辺散策にも適している。

「アイカサの会員数は現在10万人。スポット数は毎日のように増えています。大阪もつい最近、6月半ばから阪神電鉄沿線と神戸市を中心に90カ所で利用可能になりました。名古屋鉄道では、6月23日から、沿線の駅ほかに置かれています。傘の絵柄も名鉄さんとのコラボです」

7月に入ってからも、7月3日から天神大牟田線・太宰府線の16駅で23台、7月10日からJR西日本神戸線の11駅12カ所に設置されている。

ゲリラ豪雨に有効

――梅雨の時期が過ぎたら、傘は使われなくなってしまいませんか?

「日本は梅雨の時期以外でも、夏なら月に8〜9回は雨が降ります。ゲリラ豪雨もありますし、1年に110日くらい雨が降るそうです。アイカサは『自分の傘のように使っていただく』というのが1番のコンセプト。1日(24時間)70円、月額では270円で1人2本まで、好きなだけ使用できますから、家に持って帰ったり、会社に置き傘したりなど、自由に使っていただきたいです」

関東での最初の設置場所は、JR上野駅だったそうだが、路線としての常設は小田急線で2019年10月〜。私が初めて見た10月2日は、本当に導入した直後だったわけだ。

「小田急線では、ONE(オーネ)に登録していただければ、10月末までアイカサのサービスが無料になります」

そう教えてくださったのは、小田急電鉄株式会社 経営戦略部ONE(オーネ)ビジネスプランニング担当 シェアリングエコノミー協会公認アンバサダーの和田正輝さん。

――ONE(オーネ)とはなんでしょうか。

「昨年の12月から始まった生活に沿ったWEBサービスで、IDを作って連携していただくと、小田急ポイントが貯まるなどさまざまな特典が受けられます。アイカサのサービスもその1つです」

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