カニエ・ウェスト「次の米大統領狙う」男の正体 史上初「黒人ラッパー大統領」誕生の可能性も

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次に、ウェストの精神状態への疑問がある。彼は、幻覚、妄想性障害、鬱で、2016年秋、UCLA大学病院に10日間入院し、その後11ヵ月、世間から遠ざかっているのだ。

復帰後のテレビインタビューでは、過去に処方薬の依存症だったことや、双方性障害に苦しんだことを認めた。この頃にはまた、別のインタビューで、「黒人が奴隷だったのは、黒人がその道を選択したからだ」などという衝撃発言もしている。

さらに、このカニエ・ウェストとキム・カーダシアン夫婦の本職とも言える「話題作り」がある。とりわけ妻キムは昔から目立ちたがり屋で、ショッキングな行動をしてはメディアに取り上げられることでキャリアを築いてきた。

「お騒がせセレブ」としても有名なカニエ・ウェスト(写真右)とキム・カーダシアン(左)夫妻(写真:David Crotty/getty)

自分のリアリティ番組のネタのために結婚した男性と3ヵ月も経たないうちに離婚を申請した彼女が、離婚成立の前につきあい始めたのがウェスト。

4人の子供は出産するたびに話題になったし(下のふたりは代理母を使って生まれている)、つい最近は、矯正下着のブランド名に「KIMONO」を使おうとして、海を越えた日本でも騒ぎを巻き起こした。この騒動がぴったり1年前だったので、そろそろ「新しい話題を作る時期」かなと夫婦で計算したのかもしれない。

彼に立候補させ、その様子をカメラで追いかければ、リアリティ番組のネタとしてこれ以上のものはないだろう。本気で大統領になるつもりはなくても、このふたりにとって、今回の大統領選立候補で得られるものはたっぷりあるのである。

大きな影響力持つ「黒人のヒーロー」

だとしても、ウェストとキムが大統領選に与える影響は大きい。リアリティ番組のスターとして、キムはトランプより断然上。政治への関心はゼロなのに、彼女がファーストレディになるのを見たいがために投票に行く女性が出てくる恐れは、過小評価するべきでない。

また、「お騒がせ」だけで成り上がった妻と違い、ウェストは、真に才能があるアーティストだ。グラミー賞を21個も取っているし、ファッションデザイナーとしてパリでコレクションも行っている。

アスリート以外でナイキとコラボレーションをしたのは彼が初めてで、デザインするスニーカーは常にベストセラー。ミュージシャンが主宰する音楽ストリーミングサービス「Tidal」を立ち上げてもいる彼は、黒人のヒーローであり、そう呼ばれる資格がある。

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