トヨタのプラグインハイブリッド車の勝算、次世代車の覇権争いは激化必至

トヨタのプラグインハイブリッド車の勝算、次世代車の覇権争いは激化必至

「本格的な普及に適したエコカーだ」(内山田竹志・トヨタ自動車副社長)。トヨタは12月14日、充電型のハイブリッド車「プリウス・プラグインハイブリッド(PHEV)」を発表した。現行のハイブリッド車(HV)「プリウス」の電池容量を拡大し、大半のユーザーの1日走行距離に相当する23キロメートルまでは電池だけで走れる。電池が切れた後も、通常のHVとしてエンジンでの走行が可能だ。官公庁などへのリースから始め、2年後に数万台規模の市販化を狙う。

電気プラグがついた以外はプリウスそのままの外見。豊田章男社長が不在の会見だったせいもあり、国内メディアは控えめな報道に終始した。だが、このクルマこそトヨタの今後の成長のカギを握る。なぜなら、PHEVは次世代エコカーの大本命の一角と目されているからだ。

GMを強烈に牽制

欧米は今、電力利用の効率化に向けスマートグリッド(SG)なる次世代送電網の構築へ突き進んでおり、米オバマ政権も整備に34億ドルを投じるとして話題をまいた。SGは事業所や家庭にある蓄電池を送電網へつなぎ、電力需要に応じて蓄電池にためた電力をやり取りできるようにする考え方。PHEVや電気自動車はそのまま蓄電池として使えるため、うってつけのエコカーと位置づけられている。島国日本にいるとHVが時代の主役のように映るが、世界の潮流はすでにPHEVへと向かっている。

「ゼネラル・モーターズ(GM)は100年間、機械で走る自動車をベースにしてきたが、今や電気で走るクルマの会社へ転換する真っただ中にある。これは大勝負だ」。今月初めの米LAオートショーでボブ・ラッツGM副会長は“電気革命”を宣言した。

現在、PHEV「シボレー・ボルト」を開発中で、10年中に米カリフォルニア州で発売する。発電用と駆動用、二つのモーターを複雑に組み合わせて走るプリウスに対し、ボルトはモーター1つだけの比較的シンプルな構造となっている。また、電池だけの走行距離は64キロメートルに上る。

いまだ不安定な経営が続くGMにとって、PHEV成功は起死回生の切り札ともいえる。ボルト生産工場には約3・4億ドルの投資を行うとも表明。HVでトヨタに先を越されたが、PHEVは仕様のデファクトが確立してないことから同社を勢いづかせる。

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