ダイハツ「タフト」価格判明で見た競合車との差 安全機能と装備の充実にアドバンテージあり

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この他、タフトにはガラスルーフの「スカイフィールトップ」も用意する。しかも、このスカイフィールトップは全車に標準装着なのだ。

タフトの特徴的な装備「スカイフィールトップ」(写真:ダイハツ)

このガラスルーフは運転席の上方だけをカバーするものだが、仮にオプション設定であれば5万~6万円の装備だ。それが標準装着されて前述の価格だから、割安感が強い。タフトは、ハスラーに対抗する目的もあり、運転支援機能や快適装備を充実させていると言える。

一方、メカニズムの面では、ハスラーのマイルドハイブリッドに注目したい。

WLTCモード燃費を2WD同士で比べると、自然吸気エンジンはタフト:20.5km/L、ハスラー:25km/L。ターボはタフト:20.2km/L、ハスラー:22.6km/Lで、燃費性能は両エンジンともハスラーが勝っている。

スライド機構の有無で異なるシートアレンジ

シートアレンジも違う。タフトの後席はスライド機構がなく、背もたれを左右分割して前側に倒すだけだ。

タフトのリアシートにスライド機構はつかない(写真:ダイハツ)

その点でハスラーは、前後のスライド機能が備わり、背もたれを前側に倒すと座面も連動して下がるから、床の低い大容量の荷室になる。スライド機構とあわせて、乗車人数や荷物の量に応じて車内のレイアウトを変更できる。

また、スライド機構を備えるハスラーは、後席を後端まで下げると、足元空間が大幅に拡大する。前後席に座る乗員同士の間隔も1035mmと広い。

その点でタフトは900mmにとどまる。追突されたときの安全確保を考えると、後席を後端までスライドさせて頭部とリアウインドーが接近するのは好ましくないが、着座位置の自由度は大きい。

両車とも、基本的には背の高いSUVタイプの軽自動車だから、荷室は水洗い可能な処理が施され、アウトドアなどでの使い勝手を高めている。

樹脂トリムが採用されるタフトの荷室(写真:ダイハツ)

また、SUVで重要な最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)はタフトが190mm、ハスラーが180mmだ。

これらの共通点があるうえで、ハスラーは荷室のアレンジが充実して、マイルドハイブリッドにより燃費性能に優れている。対するタフトは、電動パーキングブレーキの採用で運転支援機能を進化させ、価格に対して安全装備や快適装備が充実する。

つまり、両車にはそれぞれ異なる特徴があり、ユーザーは用途や好みに応じて選べるわけだ。軽自動車SUVというキャラクターは同様ため、激しい競争になりそうだが、意外に共存が可能かもしれない。

カテゴリーは違うが、同じダイハツ同士でタントと比較検討されるケースもあるだろう。車内の広いタントは好調に売れる人気車だから、軽自動車を買うときには候補に入れるユーザーが多い。タフトとタントの特徴も比べておこう。

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