台湾学生運動リーダー・林飛帆氏に直撃 なぜ学生は、中国との貿易協定に反対なのか
何でも強行採決をやればいいのか
――台湾経済は、現実的に見れば中国経済と緊密に関わっています。だからこそ、今回のようなサービス貿易協定も必要だと馬英九政権は主張し、経済・学界でもそう主張する人が少なくはありません。
もちろん、今回の協定を締結すべき、との主張があることは知っている。個人的にはそこまで主張するほど必要なのか、あるいはそうでないのかはわからないが。ただ、そういう協定を結ぶ過程において、何らかの監督の構造(システム)と、交渉の手続きがあるべきだと考える。
であれば、(立法院の委員会で見せたような)強行採決で何でも議案を通してしまう今のままがいいのか。それこそ、最も根本的な問題だ。
締結した協定が大多数者の利益と民主主義的な監督構造と合うものかどうか。それをどう担保するのか。それらがなければ、サービス貿易協定が必要だという主張には納得できない。
――今回のサービス貿易協定はふさわしくないのであれば、中国との経済関係はどのようなものが望ましいと考えますか。
現在、台湾と中国のサービス貿易協定は、法律上の規制と監督を受けないことになっている。われわれは両岸(台湾と中国)が将来的にどのような経済・貿易交流になったとしても、法治の基礎があるべきだと考えるし、交渉の前後において明確な監督システムが必要だと要求している。両岸の経済と貿易関係を維持しようとするなら、法制的に行うべきだ。