イオンが前期最終赤字の最大要因、米国衣料品専門店タルボットとの資本関係解消へ

イオンが前期最終赤字の最大要因、米国衣料品専門店タルボットとの資本関係解消へ

イオンは子会社の婦人服衣料専門店、米国タルボットの保有株全株を、米国の特別買収目的会社BPW社へ譲渡し、タルボットとの資本関係を解消する方針を決定した。2010年2月末に開かれるBPW社の株主総会で承認後、全株譲渡を行う予定だ。なお、資本関係が解消されるのに伴い、イオンが09年2月に融資した2億ドルをはじめ、タルボットに対する全債権の返済も行われる方針だ。

米国を中心にキャリア層の女性向け衣料専門店を展開するタルボットは、イオン傘下で、もっとも業績悪化が著しかった子会社だ。09年2月期、イオンは、7期振りの最終赤字に陥ったが、それは米国タルボットが392億円の特別損失を計上し、大赤字となったことが大きい。イオンにとってタルボットの処遇は喫緊の課題だった。

イオンは09年1月に「事業の選択と集中」を打ち出し、非コア事業の売却等についてほのめかしてきた。イオンのいうコア事業は、GMSや食品スーパーなどのBtoC事業と金融やデベロッパーなどだ。ただ、国内、中国・アジアでの成長を選んだイオンにとって、北米が中心となる米国タルボットはBtoCであっても主力事業からは「優先順位が下」(イオン)の事業だった。タルボット売却についても前期から選択肢の一つとしてあった、という。

タルボットは、もともと問題企業ではなかった。それどころか、一時はイオングループの優等生だった。

イオンが米国タルボットを買収したのは1988年のこと。買収金額は約410億円で、当時のイオンの前身、ジャスコのほぼ2年分の経常利益に相当する金額だった。だが、買収時に860万ドルの最終赤字だったタルボットは、翌年から黒字へ転換、その後は着実に業績を伸ばし、02年1月期には最高純益となる156億円に到達。中核事業の国内GMSの不振時も、イオンの収益を支える貢献度の高い企業で、「日本の企業買収としては最高の成功だった」(イオン・岡田元也社長)という。

だが、成功に甘んじ、主力の婦人服で市場の変化をとらえぬまま、英国やカナダへ進出。商品も紳士服や子供服へと手広く展開をすすめた。しかしこれら新事業は軌道に乗らず負担が重くなった。さらに、ブランド力向上と、合理化による相乗効果を狙い、06年には約600億円をかけ、婦人服ブランド「ジェイ・ジル」をタルボットは買収。これも狙った相乗効果は得られず、逆にのれん代に伴う減価償却費がかさみ、収益を圧迫する、という皮肉な結果に終わった。

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