ヤフーがソフトバンクに4500億円を"上納"

ソフトバンクのメリットは明白だが・・・・

会見後の囲み取材で、宮坂ヤフー社長は「(加入者の数え方など通信事業については)勉強中」ともらしていた

ヤフーの株主は今回の巨額M&Aに失望している。投資家の反応は正直だ。ヤフーはイー・アクセスの株式をソフトバンクから3240億円で取得し、携帯電話事業に参入すると発表したが、発表翌日28日の株価終値は514円と前日から6%を超える下落となり、昨年12月以来の安値に沈んだ。

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ヤフーの株価は急落した

市場が下した評価は、実に厳しいものである。「親会社のソフトバンクにキャッシュを持って行かれる形になったことと、やや割高な買収価格がネガティブ視されたのだろう」(バークレイズ証券の米島慶一ディレクター)。

見えにくいヤフーのメリット

ヤフーの宮坂学社長は携帯事業の参入について、「ヤフーの成長はスマホの普及によるものが大きい。われわれ自身がスマホの普及を加速させたほうがいいと前々から思っていた」と説明する。携帯ショップ店頭では、有料サービス「ヤフープレミアム」の会員獲得や各サービスのプロモーションを展開。さらには、モバイル広告の成長も加速されるなど、期待されるシナジーも多いという。

イー・アクセスは、6月に合併予定のPHS大手ウィルコムをあわせて1000万人規模のユーザーを抱えるが、これを早期に2000万人以上に引き上げたいとしている。ただし、サービスの詳細やプランについては「6月のサービス開始前に発表したい」として、一切、明らかにされなかった。

ヤフー側が持ち掛けたとする今回のM&Aだが、ヤフーの収益成長に与えるメリットは見えにくい。そもそも、携帯ショップの活用に関しては、すでに全国2600店舗のソフトバンクショップで有料サービス「ヤフープレミアム」の会員獲得を進めてきた。イー・アクセスが持つ1000店舗が加わることで、どれだけインパクトがあるだろうか。宮坂社長は「修理などで訪れたユーザーに、ヤフーの新しいサービスを紹介する」と説明するが、それをユーザーが本当に求めているかは未知数だ。

ヤフーショッピングの商品受け取りに利用するという案も、24時間営業のコンビニなどと比べて利便性に劣る。「ヤフーの参入によって業界の競争が激化し、さらにスマホの普及が進む。インターネット広告やeコマースも伸びていく」(宮坂社長)という説明も、やや苦しい。

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