ハッカソンで中高生が流山市の問題解決【上】 たった3日間で、すごい作品ができた!

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灘高の後輩とチーム「流石流山」を組んで……

ボクと後輩で組んだチーム「流石流山(さすがながれやま)」は、チーム名こそ言葉遊びですが、開発テーマには5の「イベントの満足度などを数値化して次に生かしたい」を選択し、真剣に取り組みました。

イベントの満足度を算出すること自体は、意外と難しくありません。実際にみなさんも、多くのサービスや企画が、ウェブサイトや用紙に使った「5段階評価アンケート」に答えたことがあるでしょう。しかし、この方式は広く使われている割には大きな問題点が複数あります。

まず、本当のことを書く人が少ないという問題。誰しも1度は、アンケートに記入するのが面倒で、何も考えずに「とても満足」にチェックを入れたことがあるのでは? そして最後の自由記述欄はもちろん空白のまま。記入する分量が多いほど、「とりあえず適当に投げとけ!」となってしまうのは仕方ないと思います。

そして、そうなってしまう最も大きな原因が、悪名高き「謎の主観的5段階評価」です。「とても満足」「あまり満足していない」とか、主観的すぎるこの表現では、答える側も困ってしまいます。「あまり」って何だよっていうことですね。

そこを解決するためには、顧客調査の手法自体をゼロから再検討する必要があるのです。そこにいかにしてテクノロジーを活用するか? 流山市の課題自体を再検討した結果、また新たな課題が見えてきました。

流山市の本音は「データがほしい」。しかし、それではユーザーはついてはきません。だから、われわれがその本音をオブラートに包んでやらねばならない。
そうか、スマホのあれをうまく使って、顧客調査自体を楽しいエンターテインメントなコンテンツにしてやればいいんじゃないか!

というわけで、2人で相談を始めてから1時間半、あるひとつのコンセプトが現れたのです。

……長いので、いったんここで止めましょうか。実際のアイデアと制作の過程は次回に!

Tehu 慶応義塾大学1年生・デジタルクリエーター

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てふ / Tehu

1995年、神戸市生まれ。灘中学校、灘高校を経て現在、慶応義塾大学1年生。中学生の時にプログラミングに興味を持ち、2009年にiPhoneアプリ「健康計算機」を公開。ダウンロード数が無料アプリで世界第3位となり、話題となる。以後、「放射能計算機」、劇団ひとり監修の「僕の余生。」などのアプリ制作を続ける。2010年からUstreamで「Tehuのオールナイトニホン」を放送開始。米アップルの新製品記者発表を同時通訳する番組を定期的に放送し、人気を集める。2013年、グーグル日本法人元会長の村上憲郎氏との共著『スーパーIT高校生“Tehu”と考える 創造力のつくり方』(角川書店)を発売。現在、クリエーターとして多くの企業のプロジェクトに参加するほか、講演や雑誌連載など多岐にわたって活動している。中国籍で本名は張 惺(ちょう・さとる)。日本語、英語、中国語を操る。

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