先行き不透明で採用も混迷--どうなる? 就職戦線2011

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【3・採用活動の課題】優秀な人材を求め選考方法は見直しへ

今年は採用に成功した企業が多かったが、問題点や課題もある。一昨年までは応募者をいかに増やすか、効果的な企業PRの手法、内定辞退防止などが課題だった。しかし今年は、「応募者数が多すぎる」「選考プロセスの見直し」「選考精度の向上」「理工系採用の強化」「コア人材発掘」などが新たな課題となった。

優秀な人材をどうやって採用するか。そもそも、企業にとって優秀な人材とはどんな資質を指すのか。来年の採用に当たって、それを改めて問い直す企業も出ている。

「将来のプロジェクトマネジャーとなる資質のある優秀な人材」(石油資源開発)、「グローバルな人材、プロデュース力のある人材(バンダイナムコゲームス)、「営業センスのある技術者」(富士ソフト)などが具体例だ。

「来年の採用では、求める人材を明確に定義づけして、ターゲットを絞った採用をしたい」「コンサルタントを使って、人材像を明確にし、選考、配属、育成をセットにして見直したい」といった声がある。

さらに企業側は、採用方法の見直しも進めている。

今年は買い手市場に転じたことで、応募学生は多かったが、企業は採用したい学生になかなか出会えず、採用活動が非効率的なものとなった。「採用すべき人材を見落とさないよう、求める人材像を採用担当社員に浸透させることが必要」(サービス)という意見や、「今後、大量採用時代は来ないと思うので、従来通りの選考ステップでいいのか」といった声が人事担当者から上がっている。

そうした流れを受けて、多くの応募者を短期間で選別するWeb試験も見直すところが出ている。また、すでに今年の採用試験でも、多くの企業で独自の取り組みを行っている。来年は、学生一人ひとりと企業が、直接向き合う選考がさらに増えそうだ。

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