ユニクロとソフトバンク、会議の意外な共通点 強い会社は「会議」で何をやっているのか

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会議で仕事の情報を共有すると、参加した一人ひとりが自ら判断して動けるようになる(SetsukoN/iStock)
日本を代表する企業が会議で重視しているのはどんなことだろうか。著書『「強い会社」に変わる仕組み』を持つコンサルタントの松岡保昌氏は、かつてリクルート、ファーストリテイリング、ソフトバンクに在籍し、経営トップの間近で組織変革や新たな業務に取り組んだ経験から、「会社の特徴によって会議のスタイルは大きく異なる」と述べている。

「会社の強み」と「会議の質」は相関する

「会議」は、会社のコミュニケーションの中でも重要な場である。自社の「会議」のあり方について、どの会社でも何かしら課題や問題点を感じているかもしれないが、どんなやり方をするのが最適かまで徹底的に考え抜いている会社はそれほど多くない。しかし、「強い会社」は「自社に最適な会議のやり方」を模索し、会社の強みに結びつけている。

ここで私がかつて在籍した、リクルート、ファーストリテイリング、ソフトバンクの会議の特徴を紹介したい。もちろん、この3社のすべての会議を紹介できるわけではないので、特徴的な事例を切り取ったものになる。ここで紹介する会議のやり方は、「企業の特徴」と「会議の特徴の関係」を考えるための素材として読み解いていただきたい。

会議の在り方も、「企業理念」の実現と、「コア・コンピタンス」の強化に結びついている。「何のためにその会議をやるのか」、その意味や目的がわかっていれば、会議のありようも研ぎ澄まされる。自社に合った会議のやり方に気づき、それを実践することで、「強い会社」にまた一歩近づく。

リクルートの会議は「全員参加型」

私が在籍した頃のリクルートでは、1つの会議に参加する人の数がとりわけ多かった。リクルートには社員以外に、契約社員やアルバイトなど異なる雇用形態の人がいた。普通の会社であれば、会議に参加するのは社員に限定される。しかしリクルートでは、その会議の内容に関係する人であれば、すべての雇用形態の人が参加していた。

転職してきた人たちは、よくこう言った。

「人件費もかかるわけだから、もっと人数を絞って、参加者は社員だけにして、社員以外は会議に出る必要はないのでは」

ところが、リクルートの人間は無駄だと思ったことはない。客観的に見ると、会議に参加している全員の時間を拘束することになるので、コストは多大になる。しかし、それ以上の価値があるのだ。

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