「弱さの情報公開」が大事だ--『男おひとりさま道』を書いた上野千鶴子氏(東京大学大学院人文社会系研究科教授)に聞く


 男性が不得意なのが、この弱音を吐くこと。しかも同性には弱音を吐けない。また妻にも家族にも吐けない男性もいる。ところが、ヨソの女には吐ける場合もあるようだ。

--男同士では難しい。

男同士が相手を値踏みしあう関係は、死ぬまで直らないという気がする。定年後何年もたった同窓会にいっても、今度は名誉をめぐるパワーゲームをしたりする。

しかし、同性に弱音を吐けなくても、女性にうまく受け入れてもらえればそれでいい。下心を持たずに、弱音を吐ける女性の友だちを複数持てばいい。そこでは、かわい気のある男であることが必要だ。

ウーマンリブの大先輩の田中美津さんが、「かわい気」とはいくらかは人に見くびられること、と喝破している。強がらず、見くびられたらいいのではないか。男の方はたぶんこれがいちばんイヤなようだ。だが、人から見くびられたら手助けをしてもらえる。支えてももらえる。

--こけんにかかわると。

要介護になったら、他人さまに助けてもらうしかない。でも、男性にはおひとり耐性に強い人が多い。ひとりでいるのが苦にならない人は無理に人と交わらなくてもいい。

この本の最後には、「在宅ひとり死はこわくない」として、最新情報を盛り込んである。いま在宅ターミナルケアを実践している医療者に取材している。がんの最末期の患者を在宅ホスピスケアで看取る実践をしている人たちだ。その際、ひとり世帯でも可能か聞くと、家族がいなくてもOKという返事が返ってくる。地域を選べば、介護保険と医療保険の範囲内で、在宅ひとり死も可能だ。

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