ジャパンディスプレイ社長「無理な投資せず」

新工場への投資は、キャッシュフローの範囲で

3月19日、ジャパンディスプレイ(JDI)の大塚周一社長(中央)は上場会見で、検討する新工場への投資資金の手当てについて、現金収支(キャッシュフロー)の範囲で可能との見方を示した。東京証券取引所で撮影(2014年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 19日 ロイター] - ジャパンディスプレイ(JDI)<6740.T>の大塚周一社長は19日の上場会見で、検討する新工場への投資資金について、キャッシュフローの範囲で可能との見方を示した。

昨年6月、主力の新工場、茂原工場(千葉県茂原市)が稼働を開始。現在、能力増強投資の最中で、今年夏にもフル能力に達する。大塚社長は「この生産能力で足りなくなるくらいの需要がはっきり見えた段階で、次の工場建設に打って出る」と述べた。

ただ、大塚社長は「本当に足りない状況が見えてこない限りはやるつもりはない」とも指摘。破たんしたエルピーダメモリのCOO(最高執行責任者)を務めた経験に言及し、「私は学んだ。無理がある投資はしない」とした。

2013年度のEBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)は930億円の見通しで、来期は増益をねらっているため、一段のキャッシュフローの拡大を見込む。

大塚社長によると、茂原工場の投資額は2年間で1800億円。これを踏まえると、新工場の投資額は年間900億円規模と計算できるため「キャッシュフローの中でできる潜在力はある」(大塚社長)との見方を示した。

現在、国内に7カ所ある工場の維持のための更新投資は年間100―150億円。これに加えて継続的に必要となる研究開発投資を含めれば、「年間で必要な更新投資は200―300億円ぐらいをみておけばいい」という。

ボリュームゾーン市場へ

同社の液晶は、先端のLTPSという材料を使う技術で、汎用化しているアモルファスシリコンを使う技術より高精細化が可能。大塚社長は、スマートフォン(スマホ)とタブレット端末用の中小型液晶の市場について、中国のスマホメーカーからの高精細の需要が高まっていくとみており「高精細がボリュームゾーンに入っていく」との見方を示した。

「ボリュームゾーン」の市場は、液晶の単価は「当然低くなる」(大塚社長)。だが、無人化が進んだ茂原工場の運営とともに、組み立て工程を台湾と中国で進めることで、コスト競争力を高めて勝ち抜く構えを示した。 調査会社のNPDディスプレイサーチによると、2013年のLTPS液晶の市場は、ジャパンディスプレイ、シャープ <6753.T>、韓国LGディスプレー<034220.KS>の3社が86.1%を占める。また、有機ELにシフトしているサムスン電子<005930.KS>を含めれば、「高精細パネル」の市場に占める4社の比率は92.3%に達している。

大塚社長は「LTPSの市場は3社で寡占化しており、寡占化が2-3社で維持できれば市場は安定してくる。1社だけでLTPSの世界を作るつもりはない」と述べた。

(村井令二 編集:山川薫)

 

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