堀江貴文「今年もムダに目標をたてた人たちへ」 「絵にかいた餅」を作るより重要なこと

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例えば以前、テレビ局買収に向けて動いたことがあった。これは「テレビとインターネットを融合させれば、絶対に面白いサービスがつくれる!」という確信があり、「テレビ局の買収こそが最短ルートだ」と判断したからである。つまりぼくは、もともとテレビ局のオーナーになる「計画」を立てていたわけではない

現実の世界、とくにビジネスの世界では、将棋の棋士のように何手も先を読んで行動するのはナンセンスだ。経営計画とか経営戦略なんてものも、コンサル屋たちが稼ぐためにつくった「絵に描いた餅」だと思ったほうがいい。

「将来に向けて、どんなことを勉強すればいいですか?」

こんなことを聞いてくる人も、「計画」とか「戦略」の呪縛に陥っている。

ビジネスが計画どおりにいくことなんてない

何を学ぶべきかなんて、そのときになってみないとわからない。何かに“備える”ための勉強なんて、苦痛でしかないはずだ。

「大学に合格するため」「転職するため」「依頼された仕事を終わらせるため」「会社をつくるため」……など、短期的なゴールを達成するうえで、どうしても必要だから勉強するのである。

ぼくが起業したときだって、それまでは麻雀をやっては酒を飲むばかりの大学生だったわけで、何か具体的な勉強をして準備をしていたわけではない。サイト制作の依頼を受けるたびに、さまざまなプログラミング言語やデータベースなどの知識・技術を、独学で仕入れていっただけである。

『時間革命 1秒もムダに生きるな』(朝日新聞出版)
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「戦略的に段階を踏んでマーケットを押さえていく」というのは、お勉強好きな人間たちが後づけで考えた「お話」にすぎない。

「計画を立てることで、リスクを減らすことができる」なんて幻想だ。ビジネスが計画どおりにいくことなんてないし、何よりそんなことを考えている時間がもったいない

緻密な計画なんかなくていい。「やりたいこと」があるやつが本当に強い。

それを実現するための知識を、素早くインプットしていければ、もはや最強だ。

やりたいことがないまま、「何を学べばいいのか?」などと計略を弄するのは実にくだらない。

先のことなんてわからないし、わかりたくもない。唯一確かなのは、1年後も、10年後も、100年後も、ぼくは間違いなく何かにハマっているということだ。

堀江 貴文 実業家

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ほりえ たかふみ / Takafumi Horie

1972年福岡県八女市生まれ。SNS media&consulting株式会社ファウンダー。現在は宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活動を展開。有料メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」は1万数千人の読者を持ち、2014年には会員制のコミュニケーションサロン「堀江貴文イノベーション大学校」をスタート。『ゼロ』(ダイヤモンド社)40万部超、『本音で生きる』(SBクリエイティブ)30万部超などのベストセラーがある。近著に『10年後の仕事図鑑』(落合陽一氏との共著、SBクリエイティブ)など。

Twitterアカウント:@takapon_jp
その他詳細はHORIEMON.COM

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