大和ハウスが挑む米国市場開拓の"方程式" ターゲットはサンベルト在住の「Y+Z世代」

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大和ハウスが4月から賃貸事業を開始する「バークレーⅠ」(406戸)

今さらなのか、今だからこそなのか――。大和ハウス工業が3月3日、米国賃貸住宅事業への本格参入を表明した。米国の不動産大手と提携し、全米で賃貸住宅を開発する。2014年から2016年までの3年間で1600億円を投資し、2018年度までに年商500億円を目指す。

今回提携したリンカーン社はテキサス州ダラス市を本拠とし、米国だけでなく欧州やロシアにも展開する住宅、商業施設開発の大手企業。年商は2000億円規模で、集合住宅の管理戸数では全米3位の実績を誇る。

大和ハウスは、リンカーン社の豊富な情報を活用し、開発土地・物件を選定する。賃貸住宅の建設、完成後の物件管理や入居者募集といったマネジメントはリンカーン社に委託し、共同で出口戦略も展開していく。大和ハウスとしては、これまで日本で培ってきた防犯、遮音機能などの進んだ技術を提供する一方で、リンカーン社と組むことで米国での事業ノウハウの取得を狙う。

第1弾として、リンカーン社がテキサス州フォートワース市に保有し、2008年から稼働している賃貸住宅406戸を購入。2014年4月から賃貸事業をスタートする。同時に、隣接用地を取得して、2015年中に310戸の賃貸住宅を新たに完成させる。事業費は合わせて100億円を見込んでおり、数年間保有した後、2017年をメドに売却し、回収資金を米国での再投資に回していく方針。

なぜ今なのか?

大和ハウスは1976年に米国に進出し、1984年までの9年間にわたり、約1万戸の分譲住宅を供給してきた。だがその後は2011年にカリフォルニア州で分譲住宅事業42戸を購入するまでは、米国での事業を中断していた。

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