著名民間美術館が相次ぎ刷新--歴史を語り継ぐ“美の殿堂”の魅力


椎木輝實   

クイズもどきの問いをひとつ - 。

佐治敬三(さじけいぞう 1919~1999)
 山崎種二(やまざきたねじ 1893~1983)
 根津嘉一郎(ねづかいちろう 初代・1860~1940)

3人の共通項は何か? 「うーん」「何か経済に関係ありそう」「名前に漢数字が入っていることかな?」

若い世代の人は答え難いかも知れない。が、この機会に知っておいていただきたい。活躍した時代に多少のズレはあるが、いずれも近・現代日本の経済界をリードした、卓越した実業家たち - と同時に、「美のパトロン」として社会に果たした役割も大きいのである。

佐治敬三氏は、もっともポピュラーな存在であったから、ご存知の方も多いに違いない。寿屋時代を経て、サントリーをつねに積極姿勢で経営。ウイスキー、ワイン、ビール等の酒類だけでなく、日本を代表する総合的な飲料・食品会社に育て上げた。その佐治氏が自ら実践したモットーは「やってみなはれ。」今でいう「ベンチャー」のはしりである。
 
 現在では企業による各種文化事業、メセナ活動は珍しくないが、戦後、他の企業に先がけて、「利益の3分の1を社会還元に」を唱えて多彩な事業を展開した。1961年、東京・大手町に「生活の中の美」をテーマに、サントリー美術館を開館。その後、次々に文化事業を手掛け、1986年には、東京・赤坂に “音楽の殿堂” サントリーホールを完成させた。指揮者カラヤンが、当時語った言葉が印象的である。「このホールはさながら音の宝石箱のようだ。」

サントリー美術館は、1975年、赤坂見附に移転。更に2007年3月、東京ミッドタウン開発に伴い、ガレリア内に新美術館をオープン。佐治信忠館長のもと、「美を結ぶ、美をひらく」のメッセージを掲げ、ユニークな活動を展開。時には国立新美術館と共同で「ピカソ展」を開くなど数々の話題をまいて来たが、今秋、組織替えした。

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